第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第6話 召喚事故
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うべき状態の可能性が高いな。
まぁ、良い。今は才人の能力に関しては後回し。
それよりも前に、先ほどの精霊の悲鳴が何に起因するのか判らないが、策を打って置く必要は有りますから。
刹那、空気が変わった。サラマンダーとウィンディーネに、この場の精霊がすべて支配されたのが、雰囲気から察せられる。
良し。これで大丈夫。そうしたら、次は……。
「才人。囮とトドメを刺す役とどっちが良い?」
巨大な蜘蛛が飛び上がる瞬間を見透かしたかのように、剣圧を放つ俺。
俺の放った剣圧は物理的な距離では減殺されるようなモンではない。それは一種の仙術。空間を歪ませる事によって、相手に直接攻撃出来るようにする技。
空中で姿勢を崩した巨大蜘蛛が仰向けに成って落下。
しかし、その程度の攻撃では、ほとんど被害を与える事など出来ないのか、まったく意に介した様子もなく、直ぐに置き上がって俺達を追う。
そして次の瞬間、三体目の剪紙鬼兵が蜘蛛の巨体に押し潰された。
瞬間、額から少しの血が噴き出す。これは、血が目に入ると少々ウザいが、まぁ、それでも剪紙鬼兵を戦場で使用する以上、これは仕方がない。
「どちらの方が簡単?」
俺の隣を走りながら、そう聞いて来る才人。
そんな事、決まっている。
「トドメ役。但し、ヤツにマトモに被害を与えようと思ったら、ヤツの精霊の護りを貫く必要が有る」
放たれた糸を右に回避しながら、そう答える俺。
ヤツが纏っている精霊の多くは大地の精霊。攻撃に対する護りとしては無類の強さを発揮する。
「囮がヤツの気を引いている隙に、ヤツの腹の下に潜り込み、堅い殻を纏った前面部ではなく柔らかい腹の部分を貫く。
精霊の護りを無効化した後にな」
急反転をした瞬間、俺達の目の前を蜘蛛のキチン質に覆われた前肢が空を切った。
その刹那、囮の剪紙鬼兵がまた一体消滅。
俺は二枚の呪符を差し出しながら続ける。流石に大した傷では無いが、決定機を一度逃したのが、少々厄介となった。多分、俺だけではヤツにトドメを刺すのは無理……とは言わないけど、難しい。
「一枚目の呪符は、大地の精霊の護りを貫くのに必要な呪符。
口訣は、木行を以て土行を克す、割れよ。や。
もう一枚は、ヤツの腹に刀を刺した後に使う。
口訣は、木行を以て雷光を呼ぶ、招雷。や」
本来なら、剪紙鬼兵を囮にして俺が為す心算だったのですが、ここは才人に手伝って貰うのが良策でしょう。
もっとも、初めての実戦が、土蜘蛛ならぬ、レンのクモの相手をする事に成ると言うのも、かなりレアな経験と成ると思うのですが……。
「その口訣と言うのは、どうしても唱える必要があるのか?」
俺と動きをほぼ同調させながら上体
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