第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第6話 召喚事故
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いる状態だと言う事でしょうね。
故郷から無理矢理拉致されて来て、知り合いのいない異郷に独りぼっちの状態。この状態で、その元凶のルイズに対して、この理性的な態度を取って居られるのは、素直に凄いと評価すべき事だと思いますから。
「はぁ、不幸だわ」
あからさまに落胆した雰囲気のルイズ。……って、おいおい。本人を前にしてのその態度は少し問題があるでしょうが。
確かに、期待した分、落胆が大きいのも判りますけど。
それでも、本当に不幸なのは、そちらの少年の方で有って、貴女の方じゃないと俺は思うのですが……。
これは流石に、双方にフォローを入れて置くべきですか。
「ですが、ヴァリエール嬢。人間を召喚する事自体が珍しい事のようですし、他に人間ほど優秀な使い魔を召喚した生徒は、我が主人のタバサしかいないのですから、貴女の召喚士としての才能は十分に示したと思いますが」
一応、そう言って双方の取り成しを行って置く俺。
但し、何故に俺がそんな事をせにゃならないのか判らないのですが、それでも、最初から色々と関わって仕舞いましたし、この程度の事はやっても罰は当たらないとも思いますしね。
アフター・ケアと言う感じになるのかな。
それに、人間を使い魔にする事が出来るのならば、これほど優秀な使い魔はいないと思います。おそらく、使い魔とは呼ばずに、サーヴァントと呼ぶのが正しい呼び方となるとは思いますが。
もっとも、人間の場合ならば、同じような仕事をこなす人間を、それなりの給金を出す事によって雇う事も出来るのですが……。
まして、才人は十七歳の少年とは言え、ひ弱な現代日本人。これでは、護衛の役もまともにこなせるのか、かなり疑問が残るのですが……。
……って、俺まで否定的な気分に支配されてどうしますか。
それに、それでしたら、もう一度、確認の為に聞いてみますかね。
「才人。もう一度聞いて置くけど、ホンマに何にも出来ないのか?
例えば、武道で段位を持っているとか、射撃で国体に出たとか、実は、超能力少年としてテレビに出た事が有るとか。そう言う属性は持って無かったかいな」
そう思い、ルイズに変わって俺が再び同じ質問を行う。
もっとも、最後の部分に関しては冗談なんですけど。
それに、本当に超能力が有るような連中は、テレビに出るようなマヌケな事はしませんから。
何故ならば、俺の能力だって、一種の超能力ですからね。
自らを晒し者にする必要はないでしょう。特に、本当に妙な能力を持って仕舞った人間の場合、異端の存在として、圧倒的多数の人間から排除される事を強く恐れていますから。
少なくとも、俺はそうでした。
人とは、異端を探し出し、そして排除する生き
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