第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第6話 召喚事故
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「あんな方法で契約を交わすなら、先に言って置いてくれても良いだろうに」
俺と同じように、ファースト・コンタクトが、いきなりファースト・キスに成った青いパーカーとジーンズ姿の少年が、何か不満げにぶつくさと言っていますが……。
「そんな事を言うても、最初に言って有ったとしても、あまり意味はないと思うけど。
それに、才人は未だマシなんやで。最初から俺が通訳したんやから」
一応、そう答えて置く俺なのですが……。
実は、契約方法がくちづけだと伝えなかったのは、俺も教えられて無かったからコイツも同じ目に合わせて、どう言う反応をするか見たかっただけなのですが。
かなり悪趣味だったと、今では少し反省はしていますよ。本当に少しだけ、ですけどね。
それで、その結果に関しては……。
「心構えが違うよ。初めから判っていたのなら、あんな醜態は晒さなかったのに」
俺の予想以上に面白い反応を示してくれました。才人くんはね。
それに、その程度の事は良いじゃないですか。一応、滅多に出会う事のない美少女が相手でしたからね。
何時までも、過ぎ去った過去について悔やんでいても始まらないでしょうが。
それで、結局、才人とルイズの契約は、俺の時には出来なかった契約時の細かな取り決めが出来て、一応、才人はルイズの使い魔だけど扱いは学院生徒に準ずる。と言う結果に成りました。
それに、コルベール先生の語るトコロによると、人間の使い魔と言うのは本当に前代未聞の存在らしいですから、これからも細々とした取り決めを作って行かなくちゃならないのですけどね。
……但し、厳密な意味で言うのなら、俺は人間とは少し違う種族に分類される存在なのですが。
「あんた、本当に、何も出来ないの?」
才人との使い魔契約からコッチ、かなりご機嫌斜めのピンク色の才人のご主人様が本日、何度目のなるのか判らない質問を繰り返した。
それに、彼女の気持ちは理解出来ます。糠喜びだったけど、優秀な使い魔を召喚出来たと一度は思ったはずですから。
確かに、この落差は大きいと思います。
尚、彼女はなんとトリステイン王国の公爵家の姫君らしいです。但し、三女様ですけどね。
……って言うか、そもそも、そのトリステイン王国がどんな国なのか、未だ俺自身がまったく分かっていないのですが。
「だから俺は、普通の高校二年生の男子生徒で有って、式神とも、魔法とも無縁の生活を送って来たんだよ」
いい加減、うんざりしたような口調でそう答える才人。
当然、コチラの方の気持ちも良く判ります。何度も、何度も同じ事を聞かれていたら、嫌にも成って来ますよ。
その点から考えると、少なくとも、ルイズに対して怒り出さない才人は、未だ自制心が働いて
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