制圧する風宮兄妹
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かった」
ところで気になったんだが、あれで職務を全うしている気か?
『水だ。飲め』
『何だ。客ではないのなら出て行け』
『飲んだら出て行け。邪魔だ』
これで受けている男がいるんだか世の中わからないな。
俺は笑いながらパフェを食べ始める。
「ねぇ、かざみん」
「ん? 何だ?」
「かざみんは、ノーマルだよね?」
そう言いつつも別の方角を見ていた。
俺も気になったのでそっちを見てみると、
『あ、あの子、超いい……』
『罵られたいっ、見下ろされたいっ、差別されたいぃっ!』
『本音、お兄ちゃんはノーマル―――というよりドSよ』
「そうだよね。良かった〜!」
え? そこは喜ぶとこなのか? というか本音はMなのか!?
「って、シヴァ。俺はドSだったのか?」
『何言ってるのお兄ちゃん。私にいつもあんな高度なことを強要しているのに……』
「お前としたこと一度もねぇよ………」
そう突っ込むとシヴァがぷく〜と顔を膨らませた。
そして追加注文してそれを待っているところで、
「全員、動くんじゃねえ!」
俺とシヴァは店の奥へと引っ込んだ。
■■■
「ど、どうしましょう兄貴! このままじゃ、俺たち全員―――」
「うろたえるんじゃねえっ! 焦ることはねえ。こっちには人質がいるんだ。強引な真似はできねえさ」
「へ、へへ、そうですよね。おれたちには高い金払って手に入れたコイツがあるし」
そう言って男の一人がショットガンで威嚇射撃を行った。
そしてそれにパニックを起こした女性客が悲鳴を上げるが、リーダー格の男がハンドガンを撃って黙らせた。
「大人しくしてな! 俺たちの言うことを聞けば殺しはしねえよ。わかったか?」
「―――随分と温い常套句ですね。ちゃんと人を撃つ覚悟を持っているんですか?」
執事服を着た俺―――風宮祐人が敬語で応対する。
「あ? 何だお前?」
「通りすがりの執事ですよ。そろそろこんな茶番劇は終わりにしません? はっきり言ってうざいので」
「上等だこら!」
そう言ってショットガンとサブマシンガンを持った男が各々銃をこちらに向けるが、既に彼らの手にはなかった。
「あ、あ……あれ? 銃が……ない」
「お、俺もッス」
そう言って探すが―――あるわけがない。鹵獲したんだから。
「何やってんだよ、こんなヒョロ男相手に素手でも勝てるだろ」
「そうッスね」
そう言って子分Aはこっちに来ると同時に、
「―――あら、よそ見とはいい度胸ね」
―――ドスッ
シヴァがリーダー格に飛膝蹴りを食らわせる。
そっちに目が行った瞬間に俺が二人の横を通り
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