『英雄と軍人との再会』
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あの後、何事もなく転校初日を終えた
昔のように大和達と一緒に帰ろうとしたが、ある事を思い出した
「あー、悪い、先行っててくれ。ちょいと遅くなりそうだから先帰ってていいぞ?」
「分かったよ。んじゃ先行ってるな〜」
大和とキャップとモロ、そして脳筋の帰る姿を確認し、2年S組へ向かった
◇
「英雄はいずこへいっ「おお!我が友、鷹槻 司桐よ! 我に何用か?」良いタイミングでくるねぇ〜」
額に×印を刻み、普段はなんとも偉そうな口調で喋る人物『九鬼英雄』であった
「いやさ、ドイツからの土産を渡そうと思ってね・・・ほい、『ファーバカステル』の万年筆」
小さなケースに入った万年筆を渡す
「おお! ファーバカステル社の万年筆か! ありがたく使わせてもらうぞ、司桐よ!」
おぉ、良かった良かった。喜ばれるのは嬉しいねぇ
「おいテメェ、英雄様に見返り求めようって魂胆じゃねぇだろうな?」
さりげなく太股にナイフを突きつけているのは元傭兵、現英雄の従者メイドをしている『忍足あずみ』であった
「見返りなんて求めてねぇよ・・・それより、アノ時の怪我治ったか?」
「ああ、お陰様でな・・・それには感謝してるさ」
「貴女も女なんだから、自分の事にも気を使え。そんぐらいできなきゃ、従者失格だぞ?」
軽く笑い、英雄の元へ再び向かう
「そういや、揚羽さんって何時空いてるか知ってるか?」
「う〜む、流石に姉上の予定は把握していないのでな。姉上に何か用か?」
「いや、揚羽さんにも色々お世話になったから、せめてものお返しをしたいな〜 と思っているんだが」
「うむ、良い心がけではないか! 友の司桐の為だ・・・姉上の予定を聞いておこう!」
「恩にきるよ英雄・・・んではまた明日な〜」
「ああ、さらばだ! 我が友よ!」
英雄はそう言うと人力車に乗り、帰っていった
「あずみ、よく毎日人力車引いて行くよな・・・毎日は無理だな」
せめて週1か2で限界だな、俺は
「司桐〜っ!」
いつもの声と共に背中に抱きついてきたのはーー
「ユキ・・・と、そのご一行?」
ハーフで如何にも整った顔立ちをしている美少年と、仏顔をしており、スキンヘッドが光輝きそうな頭をもっている青年だった
「う〜とね、コッチの格好良いのが冬馬でね、発毛が乏しいコッチが準だよ」
俺の頭に顎を乗せ、淡々と説明をしていくユキ
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