副官からのSOS
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入ってきたのは銀髪の長身の女性プレイヤーだった。
入ってきた女性プレイヤーの装備を見て、短剣を握る。ケープの間から見える服は軍のユニフォームだったからだ。女性の装備を認識した子供たちも目には警戒の色が出る。サーシャは子供たちに笑いかけて、安心させるように言う。
「みんな、この方は大丈夫よ。食事を続けなさい」
サーシャがそう言うと、ホッと息を吐いて再び先ほどまでの喧騒さに戻った。そのプレイヤーは俺らのいる丸テーブルに近づいてきた。そしてサーシャが女性プレイヤーに席を勧める。女性プレイヤーは一礼してして席に着いた。事情の分からない俺とアスナとユキは互いに目を見合わせる。三人でキリトにアイコンタクトを送る。
「ええと、この人はユリエールさん。どうやら俺たちに話があるらしい」
ユリエールという女性プレイヤーは俺たちに頭を下げて口を開いた。
「はじめまして、ユリエールです。ギルドのALFに所属しています」
「「ALF?」」
アスナとユキが首をかしげる。なので教える。
「Aincrad Leave Forcesの略称だよ。俺らは普段、軍って言ってるから聞き覚えが無いんだよ」
「よく知っていますね。呼称ばかり言われて知ってる人なんていないと思っていたのに」
「まあな。そういえば自己紹介がまだだったな。俺はゲツガ。こっちがキリト。その隣がユキ、その隣の子供がユイ、で最後にアスナ。ユイ以外全員Kobに所属している」
そういった瞬間、ユリエールは目を見張った。
「Kob……。道理で連中が軽くあしらわれたわけですか……。それと一つ聞きたいんですが……何であの連中が飛んで帰ってきたわけが知りたいんですが……」
アスナ、キリト、ユキは顔を見合わせている。飛ばした本人は苦笑していた。しばらくしてキリトが話す。
「それはこいつがやったことです。こいつの馬鹿げた筋力値なんで、投げ飛ばしたり斬り飛ばしたりしたんですよ」
「つまり、そのことで抗議にきた、ってことですか」
「いやいや、とんでもない。その逆です。よくやったとお礼を言いたいくらい」
「……?」
事情の掴めず、沈黙しているゲツガたちに向かってユリエールは言った。
「今日はあなた方にお願いがあってきたのです」
「お願いですか……?」
ユキが代表して聞くと、ユリエールは頷いて話し始める。
「はい。最初から説明します。軍というのは、昔からそんな名前だったわけではありません」
「確か、MTD。MMOトゥデイの略称だったな」
「そうです。今の名前になったのはかつてのサブリーダーで現在の実質的支配者、キバオウという男が実権を握ってからです」
その言葉を聞いた瞬間、ユキがゲツガ
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