副官からのSOS
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終わっても前線に戻る時が来ても何か方法があるはず。
ユイの頭をなでながら物思いに耽っていると、ゲツガが子供たちから離れてこちらに来た。
そして、キリトがゲツガが椅子に座るのを確認すると話し始める。
「サーシャさん……」
「はい?」
「……軍のことなんですが。俺の知っている限りじゃ、あの連中は専横が過ぎることがあっても治安維持に熱心だった。でも昨日見た奴らはゲツガの言った通り犯罪者と変わらなかった……。いつから、ああなんです?」
その質問をまずゲツガが答える。
「キリト、軍には二つの派閥があるって知ってるよな?」
「ああ」
「一つがシンカーという男をリーダーとしたもの、もう一つはサボテン頭、キバオウがリーダーのもの。キバオウのことは、アスナやキリトは知ってるだろ?ユキはまだ攻略組入ってない頃だから分からないと思うけど」
ゲツガはそう言って話を続ける。
「多分、シンカーをリーダーとした穏便派のほうがどうかなって、過激派のキバオウが実権を握ってんだろう。そのせいで、昨日見たいなことがよくあるんだと思うぞ」
「そうなんですか?ゲツガさんすごいですね。そんなことを知ってんですか」
サーシャはゲツガの話を聞いて感嘆する。
「サーシャさん、多分こいつ、そこまで知らないと思いますよ。こいつ結構頭の回転とかが速いからこういう事に関しては大体自分の予想を言っただけですよ。でも、まあ、こいつが言ったことは大体当たるけど」
「ゲツガ君ってやっぱりすごいね」
「それだから圏内事件でもすぐに分かったんだ」
アスナたちがそう言ったあと、苦笑した。
「でも、俺の予想なんかを当てにするよりも奴に聞いたほうが早いんだがな」
ゲツガが奴と嫌そうな響きで言う。それが誰か分かった三人は苦笑しながら言う。
「確かにあいつは知ってるな」
「団長は意外と軍の動向にも詳しいからね。でも団長、軍には無関心だと思うよ。ね、アスナ」
「うん。入りたてのときはよく、ゲツガ君やキリト君のことを聞かれたりレッドの討伐戦の時なんて、任せる、の一言だったし」
「まあ、奴らしいな……。となるとこの状態を俺たちで収拾するにもたかが知れてるな」
そう言って、ゲツガはお茶を啜った。そしてそのあと、すぐに目を教会の入り口に見やった。キリトも同じように入り口を見ていた。
「どうしたの二人とも」
ユキがそう言うとキリトが答える。
「誰か来るぞ。一人……」
「え……またお客様かしら……」
サーシャの言葉と同時に館内にノックの音が響いた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
腰に短剣をつるしたサーシャと念のために付いていったキリトに伴われて
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