地底からの魔手
[10/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
れた。
「よし、行こう」
滝が前へ進もうとする。だが一文字はそれを手で制止した。
「いや、御前はここに残ってくれ」
「何でだ?」
滝はその言葉にいぶかしんだ。
「御前はこの子を守ってくれ。そしてこの子のご両親を助けて安全な場所へ逃がすんだ」
「そうか、解かった」
滝は一文字のその言葉に納得した。
「ここは俺ひとりで行く。そしてその子のご両親を必ず救い出してくる」
「そうか、必ず救い出して来いよ」
「ああ、必ずな」
一文字は滝にそう言って階段を降りていった。
一文字は階段を慎重に降りていく。中は暗く不気味な気配に満ちている。
「間違いないな、ここに奴等はいる」
一文字はそのまま進んでいく。そして暗い廊下を進んでいく。
「問題は何処にあの子のご両親が捕らえられているかだな」
その時一人の戦闘員にバッタリと会った。
「ギィッ」
戦闘員は慌てて構えを取ろうとする。だが一文字はそれより速く彼を叩きのめした。
「ギギギ・・・・・・・・・」
苦しみ床に倒れる戦闘員。一文字は彼の首を掴んだ。
「言え。捕らえた人達は何処に収容している」
「あ、あそこだ・・・・・・」
戦闘員は奥の廊下の左手を指差した。そこには廊下が続いている。
「あそこか」
一文字は戦闘員を気絶させるとそこへ向かった。その後ろで何か足音がしたのには気付かなかった。
そこは牢獄だった。捕らえられている多くの人達がいた。
「助けてくれ!」
彼等は鉄格子越しに叫ぶ。一文字はそれに答え鉄格子を次々と打ち壊していく。
人々は次々に牢獄から出る。一文字はその人達に問うた。
「この中に赤い服を着た小さい女の子のご両親はおられますか?」
「はい」
若い夫婦が手を挙げた。
「良かった、貴方達の娘さんにここまえ案内して頂いたのですよ。お父さんとお母さんを助けて欲しいって」
「そうだったんですか、あの娘が」
「ええ。娘さんがお待ちです。さあ早く行きましょう」
「はい」
しかしその時だった。
「残念だがそれは出来ん」
彼等の後ろから声がした。そしてジゴクロイドが姿を現わした。
既に怪人態をとっている。その後ろには戦闘員達がいる。
「貴様はここで死ぬからだ。貴様が助け出した人達と共にな」
そう言うと一文字の足下に小さな蟻地獄を造った。
「むっ」
それは威嚇だった。蟻地獄はすぐに消えた。だが人々を怯えさせるのには充分だった。
「俺からは逃れられんぞ」
一文字が先程来た道からも戦闘員達が来た。彼等は挟み撃ちとなった。
「さあ、これで逃げ道は無くなった」
ジゴクロイドはその四つの目を細めた。そしてその両手を巨大な鋏に変えた。
「一人ずつ切り刻ん
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ