地底からの魔手
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高い電波が発されている」
「電波か。妖しいな」
一文字は電波、という言葉に目を光らせた。
「ああ。あちらの方だ」
滝は左手を指差した。
「よし、行こう」
二人はそちらへ向かった。それを陰から見送る影があった。
「よし、予想通りに動いているな」
それはジゴクロイドだった。
「そのまま行くがいい。そして苦悶うちに死ぬのだ、ハハハハハ」
ジゴクロイドはそう言うと姿を消した。そしてその後には正静寂が残った。
二人はその場所へ来た。そして機械を再び地面へ当てた。
「どうだ?」
一文字は再び滝に尋ねた。
「間違いないな、ここから多量の電波が感じられる」
滝は一文字の方を振り向いて言った。
「そうか。ではこの辺りだな」
一文字は早速辺りを見回した。周りは岩山ばかりである。
「出入り口を隠すにはもってこいの場所だな。さて、何処に隠してあるか」
その時遠くに黒い服の戦闘員達が目に入った。何やら子供を追いかけている。
「あいつ等、子供でも容赦はしないか。相変わらずだな」
一文字と滝はそう言うと戦闘員達の方へ向かった。
二人の姿を見ると戦闘員達は慌てて逃げ出した。二人はそれを追うよりも子供の保護を優先した。
「怪我はないかい?」
見れば赤い服を着た可愛らしい女の子である。
「うん。けどお父さんとお母さんが」
「お父さんとお母さんがどうしたの?」
滝は子供に優しく尋ねた。一見怖そうな外見であるが彼は子供が大好きだ。
「あの怖い人達にさらわれちゃったの」
「そうか。じゃあお兄さん達がお父さん達を助け出してあげるよ」
「本当?」
「ああ、本当さ。お兄さん達は正義の味方だからね」
一文字は少女を笑顔で見下ろしながら言った。彼も子供は大好きである。
「正義の味方?じゃああの悪い奴等もやっつけてくれるの?」
「勿論さ。その為にここに来たんだからね」
「じゃああいつ等のいるところを教えてくれるかい?」
「うん」
少女に案内され二人はその場所へ向かった。
「ここか」
そこは巨大な岩のまえだった。黒い玄武岩である。
「悪い奴等はここから出入りしていたの。お父さんもお母さんもこの中に連れて行かれちゃったの」
少女はその岩を指差して言った。
「そうか、この中か」
滝は機械をその岩に当てた。
「間違いないな。電波が今までとは比べ物にならない位高くなっている」
「そうか、遂に突き止めたぞ」
一文字はそう言って前に出た。
「滝、ちょっと下がってくれ」
「わかった」
滝は少女を抱いて後ろへ下がる。一文字はその岩に手を当てた。
「ムンッ」
その岩を横へ引いた。するとその奥から下へと降りる階段が現わ
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