地底からの魔手
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ートバイ部隊のほうはどうなっている」
「ハッ、既に全員出撃用意を完了させています」
戦闘員の一人が敬礼して報告する。
「そうか。俺も出撃するぞ」
「ハッ」
戦闘員はそれに答えた。
「久し振りの『殺し』だ。腕が鳴るぜ、
ククククク・・・・・・・・・」
ジゴクロイドは両手に黒いグローブを嵌めた。そしてその上から指をボキボキと鳴らして笑った。
一文字と滝は鹿児島の道をバイクで進んでいた。行く先は桜島である。右手にはその桜島が煙を噴きながら聳え立っている。見事な雄姿である。
「こうして見るとやっぱりでかいな」
滝が愛車ワルキューレを走らせながら言った。
「ああ。鹿児島の象徴と言われるだけはある」
一文字もそれを眺めながら言った。
「大きくて力があってな。鹿児島出身の奴がよく言うな。俺もああいうふうになりたいって」
「ああ。灰を出しまくるのが凄く迷惑だって話だけれどな」
この灰のせいで鹿児島は米があまり採れない。だから薩摩芋を植えたのである。
「しょっちゅう噴火しているしな。今も煙を出しているし」
「そうでなきゃ桜島じゃないっていう人もいるしな。まあ良くも悪くも鹿児島の象徴だ」
二人は談笑しながら道を駆ける。その時ふとライダーの一団が後ろからやって来た。
「ん?黒服のライダーの一団だ」
「随分速いな。街道レーサーか何かかな」
速い。二人は道を空けようとバイクを端に寄せた。
だがその黒いライダーの一団は二人の周りを取り囲んだ。そして二人にスピードを合わせ走る。
「一文字隼人、そして滝和也だな」
その中のリーダー格らしきバイクが二人の左横に来た。
「その通りだが・・・・・・あんたは」
一文字は横目でその男を見る。ヘルメットを被っているので顔は見えない。
「俺か?俺は・・・・・・フフフ」
その男は不気味に笑った。
ヘルメットが両脇から砕けた。中から何かで砕かれたようだ。
「バダン怪人軍団の一人ジゴクロイド。御前をぶっ潰しに来てやったぜ」
黒人の男だった。一文字へ顔を向け獣じみた笑いを浮かべる。
「へえ、そりゃどうも。じゃあこれは俺へのお誘いかな」
一文字が微笑んで言った。だがその目は強く光っている。
「そうだ、パーティだ。暗黒の地の底へのな」
ジゴクロイドの眼が光った。その姿が豹変していく。
黒いジャケットが弾け飛ぶ。そして銀の髑髏模様の胸を持つ身体が現われる。
顔が変わる。眼が四つになり頭からは蟻地獄の鋏が角の様に生えてきた。
「それが貴様の正体か」
一文字はその変身する有様を見ながら言った。
「そうだ。バダンが俺に与えてくれた最高の身体だ。これで貴様を粉々にして地の底に沈めてやる」
右側の二つの
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