地底からの魔手
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そして早速桜島へ向かった。
その二人をビルの上から見る影があった。影はそれを見届けるとビルの陰へその姿を消した。
「そうか、ここには一文字隼人が来たか」
それは何処にあるのであろうか。おそらく地下に設けられたその基地の指令室で一人の男が戦闘員から報告を受けていた。
男は筋骨隆々の黒人の大男である。岩石の様な顔には無数の傷まである。黒いタンクトップに白いズボンを着ている。
「やはり察しがいいな。おそらくこの地での我等の作戦も大体解かっている筈だ」
男は歩きながら言った。
「だが手をこまねいている必要はないな。奴を倒せばいいだけだ」
ニヤリ、と笑った。獰猛な、肉食獣の様な笑みだった。
「やれやれ、相変わらずですね。ジム=コーエン。いやジゴクロイドとお呼びしたほうがいいですかね」
不意に男の声がした。ジムと呼ばれたその黒人は声がした方へ顔を向けた。
「来ていたのか」
「ええ、つい今しがた。お邪魔させてもらいますよ」
村雨に針でもって攻撃したあの白人の男だ。白い服を着ている。
「あんたが来るとは珍しいな。何かあったのか」
「いえ。ただそちらの作戦の進み具合はどうなっているのかと思いましたので」
「別に変わりはないな。かなり順調にいっている。ただやっぱりあいつ等が来やがった」
「あいつ等・・・・・・成程、仮面ライダーですか」
白服の男は意味ありげな笑みを浮かべた。
「ああ。まあ情報部の予想通りだな。今からぶっ潰しに行くつもりだ」
「そうですか。楽しみにしていますよ」
ジゴクロイドのその言葉に男は頷いて笑った。
「ああ、楽しみにしといてくれ。この腕で全てを叩き潰すのが俺のやり方だ」
右で拳を作りながら笑う。やはり獣じみた笑みだ。
「フフフ、相変わらずですね。シカゴの暗黒街の影の支配者と言われた時から」
「フッ、『人間』だった時の話は止めてくれ。今の俺はそんなちんけなもんじゃない」
その言葉に表情を変え反応する。発言を咎めるような顔だ。
「そうでしたね。何しろ今の貴方は・・・・・・」
「そう、今の俺は人間じゃね。選ばれたんだからな」
「そう、貴方は選ばれし者。バダンという神に選ばれし者・・・・・・」
白服の男は含み笑いを漏らしながら言った。
「期待していますよ。貴方がこの九州を炎に包む日を」
「それはもうすぐだぜ」
ジゴクロイドは口の歯を見せて笑った。その全てが牙の様な歯だった。
「それは何より。フフフフフ・・・・・・・・・」
白服の男は消えていった。後にはジゴクロイドと戦闘員達が残った。
「相変わらず動きの速い奴だ。まあ奴には奴の考えがあるんだろうがな」
そう言うと後ろに控えている戦闘員達の方へ顔を向けた。
「オ
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