地底からの魔手
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ゴクロイドの拳がライダーの脇を通った。その衝撃がライダーの頬を切った。
それはジゴクロイドも同じであった。その傷口から赤い血が流れる。
「成程な、力の二号と呼ばれるだけはあるわ」
その血を指に取ってジゴクロイドはニヤリ、と笑った。
「この拳、以前から鍛えていたな」
二号も頬から流れる血を手の甲で拭き取って言った。
「流石に察しがいいな。そうだ、俺はシカゴをこの拳で支配していたのだ」
ジゴクロイドは満足気に言った。
「シカゴの暗黒街の帝王ジム=コーエンか。ある日忽然と姿を消したと聞いていたが」
「俺は選ばれたのだ、バダンに。この拳をな」
ジゴクロイドはライダーに誇らしげに語った。
「バダンは世界を支配する。その時俺は暗黒街の帝王よりももっと偉大な者になるのだ、そう、世界を支配する選ばれし者の一員としてな」
「愚かな、人である事を捨ててか」
「人?そんな下等な連中の事を考える必要はない」
ライダーの言葉に対しジゴクロイドは嘲笑する声で言った。
「我等は絶対の神に仕える神々の一員、そうこの世界は俺たちによって新たに創りかえられるのだ。汚らわしい者なぞ一匹もいない素晴らしい世界にな」
「それは素晴らしいな。賞賛に値する」
ライダーは皮肉混じりに言った。
「その世界創造を邪魔するライダー、貴様等は必ず潰す。そう、我等が神、偉大なる首領の御心のままに」
そう言うと拳を再び構えた。
「死ねぇい!」
拳を繰り出してきた。右のストレートである。
おそらくこの一撃で完全にライダーを倒すつもりだろう。渾身の力が込められているのがわかる。
ライダーはそれを冷静に見ていた。拳はそのまま唸り声をあげてライダーの顔に迫る。
拳がライダーの仮面を打ち砕かんと迫る。ライダーはその拳を左手で払った。
「ムッ!?」
そして右の拳をジゴクロイドの顎に入れる。これは効いた。
「ガハッ」
それは怪人の顎を打ち砕いた。ガクリ、と膝をつく怪人。
「今だっ!」
ライダーは跳んだ。そして空中でその身体を大きく捻る。
「何ッ、あの技はっ!」
その技の名はジゴクロイドも聞いていた。だが目にするのは当然ながらはじめてであった。
「ライダァーーーー卍キィーーーーック!」
捻られた身体が唸り声をあげる。そして怪人の胸を撃った。
「グフオオオッ!」
ジゴクロイドは吹き飛んだ。ドクロの銀の胸が砕けた。
「ぬうう、俺の拳をかわし逆に攻撃を仕掛けて来るとは・・・・・・」
それでも立ち上がって来た。だが最早最後の時を迎えようとしていた。
「貴様の拳は既に見切っていた。そして次に何処を攻撃してくるかも予想していた」
ライダーは着地して言った。
「そうか、それがそれが武道
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