影の男
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ライダー達は特訓を終えた。そして皆下山しアミーゴに集まっていた。
「今までよくやった。もうわし等が教える事は何も無い」
立花は九人の戦士達を前にそう言った。
「後はバダンを倒すだけだ。行け、御前達なら出来る」
「はい」
戦士達は頷いた。そこには滝や役もいる。
「頑張れよ、俺も協力させてもらうからな」
滝が言った。
「私も。ところで皆さんこれからどうなさるのです?」
役が尋ねた。
「うむ、それだが」
本郷が口を開いた。
「近頃この日本各地で奇怪な人物が多く見られている。おそらくバダンの奴等だろう」
「だから俺達はまず日本国内のバダンの勢力を叩く事にした。恐らくここにはかなりの戦力があるからな」
一文字も言った。
「奇怪な人物か。確かに最近新聞にもよく載っていますね」
飛田が言った。
「あ、そういえば飛田さんってルポライターでしたな」
がんがんじいが思い出したように言った。
「一応ね。何とか喰っていける程度だけれど」
「最近わしの店の手伝いばかりしてたから完全に忘れていたぞ」
「おやっさあん、そりゃあ無いですよ」
「悪い悪い、ははは」
谷は笑いながら謝った。
「日本か。ということはここにはちょくちょく帰って来るんだな」
「ええ。おそらく。その時は宜しくお願いしますね」
「当然だ、何時でも店を開けて待ってるからな。上手いコーヒーを御馳走してやる」
立花は本郷に対し暖かい言葉を掛けた。本郷だけではない。他のライダー達にもその言葉の意味は同じだった。
「有り難い、おやっさんのコーヒーが唯で飲めるなんて」
「何言ってる、特別に半分にまけといてやるだけだ」
城に言葉を返す。
「何だ、唯じゃないのか」
神が残念そうに言った。
「当たり前だ、こっちも商売だぞ。その替わり半額で何杯でも飲んでいいからな」
「それは有り難い」
これは全ての者が言った。
「という事だ。史郎、解かったな」
「はい」
史郎は素直に答えた。彼はコーヒーを入れる事は定評がある。
「それではそろそろ。何しろ連中は四六時中動いている奴等ですし」
風見が言った。
「おう、行って来い。そして思う存分暴れて来い」
「はい!」
立花の言葉に戦士達は頷いた。そして店を出てそれぞれのマシンに乗る。
爆音が遠のいていく。立花はそれをにこやかな顔で聞いていた。
「勝って来いよ」
パイプを咥えながら言った。その目は暖かい。まるで父親の様な目である。
「楽しみですか」
その彼に谷が声をかけた。彼の目も同じであった。
「ええ。あいつ等がバダンを倒すのがね」
立花は言った。声まで暖かい。
「わしもですよ。あいつ等ならやってくれると信
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