影の男
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が。死してその罪を償うがいい!」
両手の鉤爪を伸ばして来る。ライダーはそれを蹴りで弾き返した。
それが合図だった。戦闘員達は既に全員倒されていた。ライダーと怪人の一騎打ちが始まった。
怪人は舌を鞭の様に振るう。ライダーはそれを身を屈めてかわす。
「・・・・・・どうやら運動能力が以前とは比較にならない程上昇しているな」
怪人は舌を収めて言った。
「運動能力だけではない。今までのライダーと思ったら大間違いだ!」
拳を繰り出す。一撃で右の鉤爪を叩き壊した。
「成程。パワーもかなり上昇しているな」
壊れた右腕を見下ろしつつ言う。
「ならば私も全力を出そう。貴様を葬る為にな」
その姿が徐々に消えていく。そして完全に溶け込んだ。
「・・・・・・隠れたか」
ライダーはそれを見て身構えた。カメレオンの怪人の戦法は知り尽くしている。
ライダーは息を潜める。そして辺りの気を察している。
(必ずここにいる。必ず)
ライダーは知っていた。怪人の考えをそしてどう動くかも。
後ろから何か音がした。ライダーは咄嗟に動いた。
「そこだっ!」
後ろから鉤爪が来る。その姿は見えない。だが鉤爪が切った空気の感触でその動きを感じた。
後ろに宙返りした。そのまま足を思いきり蹴る。
それは怪人の後頭部を直撃した。姿は見えない。だがそこに怪人はいた。
鈍い音がした。後頭部を上からオーバーヘッドキックの要領で蹴り飛ばされた怪人は姿を現わした。そして倒れ込んだ。
「グオオオオオ・・・・・・・・・」
両膝を着き呻き声をあげる。どうやらかなりのダメージのようだ。
「そうか、風の動きで私の位置を知ったのか」
怪人は立ち上がりながら言った。かなりのダメージだがそれでも立ち上がってくる。
「そうだ。姿は消せてもその動きまでは消せない」
ライダーは怪人に対して言った。
「フフフ、流石はライダー一号、見事だ。しかしな」
怪人の目が妖しく光った。
「これだけでこのカメレオロイドを、誇り高きバダンの改造人間を倒したと思わん事だ!」
その長い尻尾を絡めてきた。そして思いきり投げる。
「ウォッ!?」
何とか着地した。そこはグラバー邸の前だった。
「死ね!」
左腕を鉤爪から人形の手に変化させる。そしてそれを口の中に入れた。
舌が剣となって出て来た。それを手にライダーの前へ跳んで来た。
剣を縦横無尽に振り回しライダーに斬りつける。かなりの腕前だ。これにはさしものライダーも次第に追い詰められていく。
半歩退いたライダーはふと草に引っ掛かった。転びはしなかったがバランスを崩した。
「その首、もらったぁ!」
その機を逃すカメレオロイドではなかった。剣を横に一閃させライダーの首を
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