影の男
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顔を一斉に後ろに向けた。
「しまった、後ろか!」
「そうだ、まんまとかかったな!」
ルリ子の縄を解いた彼は彼女を護る様にして像の横に立っていた。そして彼等を指差しながら見下ろしていた。
「俺の奇襲に警戒している間にルリ子さんから注意が離れる、それを狙ったのだ!」
「おのれ、ぬかったか!」
「約束通りルリ子さんは返してもらうぞ」
ライダーはそう言うとルリ子を抱いて高く跳んだ。そして像の後ろの壁の上に着地する。
「さあルリ子さん、今のうちに。ここは俺が引き受ける」
「え、ええ」
ライダーに促されルリ子はその場を去った。
「よくも私の策を破ってくれたな」
カメレオロイドは顔に怒りを浮かべながらこちらに上がって来た。
「貴様等がどの様な策を用いてもこのライダー、必ず打ち破ってみせると言った筈だ!」
ライダーはカメレオロイドを前にして言った。
「そうか・・・ならばその礼をしてやろう」
カメレオロイドは口の端を歪めて笑った。
「私の真の姿を以ってな」
目を閉じる。それに右手の親指と人差し指を当てる。
それを外す。目を開ける。七色に光るカメレオンの目だった。
それを合図に身体が変化していく。肌が緑色の鱗になりそれが全身を覆っていく。
両手は金属の鉤爪となった。尻尾が生え口は尖り長い舌が見える。
そこにいたのは人とカメレオンの合成獣だった。間違い無く改造人間であった。
「それが貴様の正体か」
ライダーは怪人に対して言った。
「そうだ。私の力、これまでの組織の怪人と同様に考えないことだな」
戦闘員達が襲い掛かる。ライダーとカメレオロイドの戦いの火蓋が切って落とされた。
「イィーーーーッ!」
戦闘員達が槍を投げる。ライダーはそれを手刀でことごとく打ち落とす。
「喰らえっ!」
ライダーがそのうちの一本を掴み投げ返す。それは戦闘員の胸を貫いた。
戦闘員達は接近し槍で突き拳を繰り出して来る。だがライダーはそれを全て防ぎ逆に拳や手刀で倒していく。
「どういうことだ、これまでより戦闘力が遥かに上がっているが」
戦闘員達を次々と倒していくライダーを見てカメレオロイドは首を傾げた。
「よもや強化改造を受けたのか・・・・・・」
「そうだ。このライダー、貴様等と戦う為再び改造手術を受けたのだ!」
ライダーは怪人に対して言った。
「貴様等悪の手先と戦う為なら例えこの身がどうなろうとも我等はやる!」
そこには強い決意の色が現われていた。悪の組織に自身の身体を改造されそれから長きに渡って戦い続けた者だけが言える言葉であった。
「フン、戯言を」
それに対しカメレオロイドは冷ややかに言った。
「我等が理想社会を築く為の礎になる事を拒んだ愚か者め
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