影の男
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の命は無い」
「くっ・・・・・・・・・」
本郷は足を止めた。それを見届けたのかカメレオロイドは姿を現わした。
「ククククク」
次第に浮き上がる様にルリ子の後ろに浮かび上がる。その顔には満面の笑みがあった。
「私が何の改造人間であるか忘れていたようだな。このカメレオロイドの」
「ぬうう・・・・・・」
そうだった。彼は保護色で身体の色を自由に変えられるカメレオンの改造人間なのである。従ってその場と同じ色になり姿を消す事が可能なのである。
そういった特性を本郷も知らぬわけではなかった。否、カメレオンを母体とする改造人間とも闘ってきた彼にとってこれは痛恨の失態であった。
「ぬかったな、本郷猛よ。この女は我々の捕虜だ」
「おのれっ、卑怯な」
「何とでも言うがいい。貴様のその苦しみ、焦りこそが私にとっては喜びなのだからな」
「くっ、外道が・・・・・・・・・」
だが動けない。彼の右腕はルリ子の首に当てられているからだ。
「時間を早める。あと一時間でグラバー園を爆破する。その前に私を倒し爆弾を解除するのだな」
「クッ・・・・・・」
「もっとも貴様に私が倒せたらの話だが。私を今までの組織の改造人間達と一緒にするなよ」
その通りだった。彼から発せられる気はこれまでの改造人間達とは比較にならない。
「若し来なければ女の命は無い。拒む事の無いようにな」
そう言うと姿を消した。
「あと一時間・・・・・・・・・」
腕の時計を見る。もう立ち止まっている時間は無い。
「ルリ子さん、待っていてくれ。必ず・・・・・・!」
本郷は競技場を急いで出た。そしてマシンに飛び乗った。
「行くぞ、サイクロン!」
変身はしない。だがマシンだけを新サイクロン改に変形させる。
それで全速力で駆ける。激しい衝撃が全身を襲うがそれにかまわない。
そしてその中で変身をする。腰のベルトが現われた。
サイクロンのあまりの速さに道にいる車やバイクに乗る人は見えない。脇を風が通り過ぎていったとしか思えなかった。
「風か?やけに強い風だな」
車に乗り窓を開けていた人が呟いた。そのマシンは人の眼には見る事が出来なかった。そう、まさに風であった。
ライダァーーーーッ
右手を左から右へゆっくりと旋回させる。全身が黒いバトルボディに包まれ胸が緑になる。手袋とブーツは銀、改造手術を受けたとはいえ外見は変わっていないようだ。
変っ身っ!
右手を脇に入れ手刀だった先を拳に変える。それと同時に左手を思いきり右斜め上へ突き出す。顔の右半分がライトグリーンのマスクに覆われる。そしてそれは左半分にも至る。
「トォッ!」
跳んだ。今までとは比較にならないジャンプ力だ。
グラバー園は
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