第十一話 聖杯の場所その十一
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「ええい、何処にあるのよ」
「ここにはないのか!?」
「その様だな」
サキュバス、ホンゴブリン、ブリッツの三兄弟が蘇我入鹿の首塚のところにいる。その周りをしきりに歩き回りながら文句を言っている。
「ここにないのなら」
「兄貴、お寺に入るか?」
「いや、待て」
弟達を制止するブリッツだった。それと共に首塚のすぐ傍にある寺を見る。そのうえでの言葉だった。
「あそこには今ゲキレンジャーの奴等が入っているな」
「ええ、そうよ」
「今はあいつ等がな」
「あの連中が出て来てからだ」
入るのはそれからだというのだ。
「それからだ」
「順番待ちなのね」
「何かイライラするな」
「そう言うな。若し奴等が見つけ出せばだ」
その時のことはしっかり考えていた。
「奪えばいい」
「そうね、戦って」
「そのうえでだな」
「見つからなければだ」
そのケースもしっかりと考えている。
「我等が入って見つける」
「そうね。じゃあ」
「今は待つか」
「とりあえず飯にするか」
そしてブリッツは食事を提案してきた。そして周りで一緒に探している戦闘員の面々に対しても声をかけるのだった。彼等のことも忘れてはいない。
「おい、御前等も食え」
彼等はブリッツの言葉に無言で頷く。そうして首塚から離れてそのうえで弁当を出して食事に入った。実にのどかな光景であった。
そしてゲキレンジャーの面々はというとだ。
「なかったな」
「ああ」
ゴウとケンがそこから出ながら話している。
「ここにもな」
「仏像はよかったけれどな」
「あの仏像も歴史あるものだからね」
レツがこう話す。
「芸術品としても評価が高いしね」
「そうよね。教科書にも出てたわね」
ランもそれは話す。
「アルカイックスマイルね」
「何だ?それ」
ジャンは学校には碌に通っていなし。長い間野生で生きているからだ。
「アルカイック何とかって何だ?」
「それはヘレニズム時代に遡るが」
「あんたは知らないわよね」
リオとメレが話してきた。
「飛鳥時代の芸術の特徴でもあるが」
「まあそれはあんたにはどうでもいいわ」
「何だよ、どうでもいいって何だよ」
そうは言ってもやはりジャンにわかることではない。
「しかも聖杯はなかったしよ」
「また他の場所を探そう」
「そうね。次の場所ね」
レツとランが話す。
「それじゃあ。次ね」
「行きましょう」
「丁度次が待ってるしな」
「そうだな」
ゴウとケンはサキュバス達を見ていた。
「おい、次はあんた達の番だぜ」
「見つけるんじゃねえぞ」
「おっ、もう出番か」
「まだ食ってる途中だがな」
ホンゴブリンとブリッツが応えて顔をあげる。全員その場に座り込んで弁当を楽しんでいたのであ
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