第十一話 聖杯の場所その七
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「皆飲んで騒いでね」
「そうだな。あれこれ悩んでいても仕方がない」
大翔もそれを言う。
「今は食べて飲むか」
「そうだな。とりあえずはな」
丈瑠も皆と同じ席にいる。
「飲んで食ってだ。それから風呂に入るか」
「そうそう、ここの旅館ってお風呂凄いし」
「後で皆で入ろう」
早輝と小梅はそちらに関心があった。
「飲んで食べた後で」
「お風呂ね、お風呂」
そんな話をしているとだった。彼等が騒いでいる宴会場の前にだ。くつろいだ様子のロンとアクマロが楽しげに話しながら来たのだった。
「いや、中々いいものですね」
「ほんまですなあ」
二人共浴衣を着ている。実に粋に着こなしている。
「ええお湯でした」
「理想国家にはこうしたお風呂も必要ですね」
「全くです」
「おい待て」
その彼等を見て思わず言う幸人だった。
「あいつ等まで来てるのか?」
「っていうか滅茶苦茶くつろいでるじゃねえかよ」
番はそのことに驚き呆れていた。
「何であいつ等がこんなところにいるんだ?」
「っていうかね」
ここで蒼太も言う。
「凄く普通に楽しんでるし」
「ううむ、面妖な」
流ノ介も首を傾げさせている。
「あの者達も何なのだ?」
「いや、しかし」
だがここでアスカが言う。
「彼等も戦う気はないようですが」
「それは間違いないな」
「そうね」
他の面々もそれは感じられた。
「戦う気がないのなら」
「こっちはどうしようかしら」
「いや、待て」
だがここでドギーが言う。
「安心は出来ないぞ」
「確かに。連中も聖杯が欲しいし」
「それなら」
「そうだ。戦いも覚悟することだ」
こう言うのである。
「この旅館に迷惑をかける訳にはいかないぞ」
「わかりました。ところでボス」
「何だ?」
鉄幹の言葉に対して応える。
「何か考えがあるのか、テツ」
「いえ、その浴衣似合いますね」
彼が言うのはこのことだった。
「ボスも」
「そうか。似合うか」
見ればであった。彼も浴衣姿である。それで宴会に参加しているのだ。
「それはいいことだ」
「しかし。戦いになるとなると」
「場所を選ばないと」
「そうよね」
こう話してである。とりあえず部屋の襖を閉めて相手から見えないようにした。そうして宴を続けるが。よりによって乱入してきたのであった。
「さあて、風呂も入ったし」
「そうね、後は」
フラビージョとウェンディーヌであった。彼女達も浴衣である。ただし頭はそのままなのでかなり違和感を撒き散らしている姿である。
「卓球でもする?」
「いいわね」
「待て」
「御前等から来るか」
一甲と一鍬がその彼女達に言う。
「それ程俺達と戦いたいのか?」
「ならば容赦はしないぞ」
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