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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
脱出
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声をあげた。そこには博士も良く知る者達がいた。
 男もいれば女もいる。容姿も服装もその歳もまちまちだ。若い者もいれば年をとった者もいる。だが一つだけ共通するものがあった。彼等が発する気である。それは異様な殺気だった。
 「お久し振りです、伊藤博士」
 中央にいる男が微笑んで言った。黒い服を着た中年の白人である。
 「き、貴様は・・・・・・・・・」
 彼の姿を認め博士の顔が蒼ざめていく。
 「我々と共にバダンへ帰りましょう。貴方方の素晴らしい力は我等の為に使われるべきなのです」
 「言うな、最早貴様等の悪しき野望の力になぞならん!」
 博士は激昂して言った。その言葉には怒りが滲み出ている。 
 「困りましたね。それでは無理にでも帰って頂かなくてはなりませんが」
 男が手を上げた。すると無数の巨大な棘が地面から飛び出て二人の周りを取り囲んだ。
 「これは警告です。もう一度お聞きします。我等と共に大人しくバダンへ帰って頂きますか?」
 「断る?」
 「そうですか。ではゼクロス、貴方は?」
 「・・・・・・俺か」
 「ほう、どういう事かわかりませんが喋れる様になったのですね」
 ゼクロスはゆっくりと言葉を発しはじめた。
 「俺は真実を知る為、そして感情と記憶を取り戻す為に行く。そして正義の為に貴様等と戦う」
 「フフフ、正義ですか」
 男はその言葉を聞き笑った。
 「愚かな事を。バダンこそが正義であり真実であるというのに」
 「嘘を言え、貴様等が正義の筈が無いだろう!」
 博士は声をあげた。その顔が怒りで朱に染まっている。
 「貴様等は彼に何をした、彼の姉を殺し、彼の記憶を心を奪い去ったではないか!」
 更に言葉を続ける。
 「あまつさえ彼を機械の身体にしその野望の為の道具にしようとした・・・・・・。貴様等はそれでも自分達を正義と戯言を言い続けるのか!」
 「フ、フフフフフ」
 その男だけではない。後ろにいる者達も笑った。
 「博士、もう少し落ち着かれたらいかがです?あまり腹を立てられるとお身体に障りますよ」
 「なっ・・・・・・!」
 そのあまりにも侮蔑と嘲笑のこもった言葉に博士は絶句した。
 「考えの、視点の相違というものですな。我等の素晴らしい理想をまだ御理解して頂けていないとは」
 「理想だと、自分達に従わない者は全て抹殺する事が理想か!」
 「そうです。この世界には選ばれた者、優れた者だけがいれば良いのです。それ以外のゴミは除去しなくてどうするのですか」
 「ゴミだと・・・・・・。平和に慎ましく生きている人達がゴミか!」
 博士の怒りは収まらない。尚も言葉を叩き付ける。
 「そうです。この世界は戦いにより育てられるもの。それを嫌いただ生きている者などゴミでなくて何だというのです」
 
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