第十一話 聖杯の場所その五
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「お茶もあるし」
「楽しくやるか」
「何かピクニックみたいよね」
実際にそんな感じであった。緊張感とは正反対にある状況だ。
そしてその状況で弁当を食べデザートを食べていく。その中でだった。
「それじゃあ食べた後は探索だよな」
「何処にあるかよね」
「そうそう、それそれ」
「ああ、それだけれどね」
ボンバーもいる。彼が皆に話してきた。
「どうやらね」
「うん、どうやら」
「何処にあるの?」
「遺跡のある場所に隠れているみたい」
こう言うのである。
「この明日香のね」
「ちょっと待つっす」
ボンバーの今の言葉に連が突っ込みを入れた。
「遺跡といってもこの明日香はそれの集まりみたいなところっすよ」
「うん、だからその遺跡一つ一つをね」
「探すのね」
「だから皆それぞれ散会して探して」
あらためて言うボンバーだった。
「じゃあそれでいいよね」
「何かどんどんピクニックみたいになってない?」
「そうよね」
「まあそれもいいか」
「今のところ相手は明日香に来ていないみたいだけれど」
そっちはそっちでキャンプを楽しんでいる。
「けれど今のうちにね。探そう」
「よし、それなら」
「今のうちに」
こうしてであった。それぞれのチームに別れてそのうえで探索に入った。そうして明日香に散ったが。まずは何も見つからなかった。
「あれっ、ここでもない?」
「鬼の雪隠にはなかったし」
「鬼のまな板にもない」
「それにしてもここって」
ガオレンジャーの面々がその鬼の雪隠や鬼のまな板を探し回っている。そのうえでふと冴が言うのだった。
「鬼よね」
「ああ、そうだな」
月麿もここで気付いた。その巨大な雪隠やまな板に見えなくもない石造りの場所の中を見回りながらそのうえでの言葉である。
「オルグがな」
「如何にも出てきそうな名前の場所よね」
「全くだな。それはな」
これについては海も同感だった。
「鬼とオルグは同じだからな」
「しかしな。そんな話をしているとな」
岳は丁度鬼の雪隠の中に入りながら見回している。しかし聖杯らしきものはない。あるものはその遺跡だけで他のものは見当たらない。
「出て来るからな」
「そうだよな。あいつ等っていつもそうだからな」
草太郎もその可能性については否定しない。
「本当にこんな話をしていたらな」
「けれど今はいないみたいよ」
当然テトムもいる。
「安心していいわ」
「そうなんだ。じゃあ安心して探せるな」
走はそれを聞いて落ち着いた顔で鬼のまな板の周りを調べている。だがそこにも聖杯らしきものは何処にも見当たらないのだった。
「けれどここにはないみたいだな」
「そうね。ないわね」
テトムはまた言った。
「聖杯は自分で動きもする
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