第十一話 聖杯の場所その二
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「だがじゃ」
「だが、か」
「左様じゃ。聖杯はやらん」
これは言うのだった。
「御主等にはな」
「ふん、それは聞けぬ話じゃ」
「やはりな。そう言うと思っておったわ」
「それではやるか」
「こちらも容赦せんぞ」
こう言って闘いに入ろうとする両者だった。しかしここでスモーキーが言うのである。
「ああ、ちょっと待ってくれよ」
「どうしたのじゃ?」
「今は戦いよりも聖杯の場所の法が大事だろ?」
「その明日香のことか」
「そうだよ。館長は場所を知ってるのか?」
こう自分の頭の上に乗っている館長に対して問うのだった。
「それはどうなんだよ」
「無論知っておる」
こう返す館長だった。当然といった言葉である。
「それはな」
「じゃあ早く教えてくれよ。おいらも知らないんだからよ」
「知らぬとは行き方を知らぬのか?」
「そうだよ。ここから遠いのか?」
スモーキーはこうしたことも知らなかった。目を上にやってそうして館長に注目しながら話すのである。例え見るのが無理であってもだ。
「何処にあるんだよ、奈良県って言っても広いぜ」
「それは安心するのじゃ」
館長の返答は落ち着いたものだった。
「ここからなら間違いなく行くことができる」
「道知ってるのかよ」
「無論じゃ。わしも忍の者」
例えハムスターの姿をしていても。それでもだというのだ。
「道は任せておくのじゃ」
「よし、それなら頼んだぜ」
「さすればじゃ」
館長はスモーキーに話したうえで戦隊の面々にも言ってきた。
「戦いよりも聖杯じゃ。明日香に向かうぞ」
「明日香か」
「じゃあ今から」
「そこで遂に聖杯を」
「左様じゃ。ではよいな」
「よし、それならレッツゴーだ!」
シュリケンジャーが威勢よく言う。
「まさか明日香にあるとは思わなかったけれどな」
「あれ、あんたは独自で探索しとったんとちゃうん?」
ひなたも既に来ていた。そのうえでこうそのシュリケンジャーに対して問うのであった。
「そう思ってたんやけど」
「それでも見つからなかったんだよ」
シュリケンジャーは肩を竦めさせてこう返す。
「全くね。手掛かりも何もなしでね」
「そんなに見つけにくいんやな、やっぱり」
「そうなんだよ。けれどそれも終わりだね」
シュリケンジャーのその言葉が笑っている。
「じゃあ行くか」
「それで明日香って何処なのじゃ」
「おい、待て」
とぼけた声を出すガジャに対してシタリが言ってきた。
「御主は一万年生きておったな」
「その通り」
「では何故明日香の場所を知らぬのだ?色々と勉強できたのではないのか?何しろ一万年なのじゃぞ」
「殆ど寝ておった」
封印されていたからこれも当然のことだった。
「しかも日本はわしが寝てい
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