第十一話 聖杯の場所その一
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聖杯の場所
テトムとスモーキーは戦いを強引に中断させたうえで。皆に対して言うのであった。なお敵も全員揃っていることまでは目に入っていない。
「それでね。場所はね」
「やっぱり知りたいよな」
「当たり前だろ?」
マジイエローがこう彼等に返した。
「それで場所は何処なんだ?」
「この奈良ですか?それとも」
「他の場所なのか」
アバレッドとボウケンブラックはいぶかしむ様子で問う。
「場所は一体」
「奈良ならいいがな」
「奈良は奈良よ」
二人の問いにこう返すテトムだった。
「そこにあるから」
「じゃあこのまま探せば」
「それでよくないか?」
「そうよね」
皆で言う。しかしである。
「けれどここじゃないから」
「別の場所にあったんだよ」
「おい、待てよ」
ゴーオンレッドは二人の言葉にその首を思わず傾げさせた。
「奈良なのに何でここじゃないんだ?」
「だから。奈良県にはあるけれど」
「この街じゃないんだよ」
彼等が言うのはこのことだった。奈良県と奈良市の違いなのだ。
「明日香にあったのよ」
「そこにな」
「明日香!?」
「明日香って何処だ!?」
「さて」
敵は誰も知らなかった。ここでヤイバはシズカに尋ねていた。
「おいシズカ」
「何?」
「御前元々この関西にいたのだったな」
「そうよ、高校も大阪よ」
こう平然とした顔で返すシズカだった。
「それがどうかしたの?」
「では明日香の場所がわかるな」
「そんなのわかる訳ないでしょ」
しかしその返答はこんなものだった。
「何で私がわかるのよ」
「おい、御前は関西にいたのだったな」
「それでもわかる筈がないでしょ」
シズカはふてくされた顔で居直り返す。
「だって私社会科の成績ずっと悪かったし」
「そういう問題か?」
「そういう問題よ」
相変わらずのやり取りだった。
「とにかくよ。わからないものはわからないわよ」
「何の為の関西人だ」
憮然とした声を出すしかないヤイバだった。そして他の面々もだ。
「はて、明日香」
「ここではないとすると」
「奈良の何処なのだ?」
こんな有様だった。彼等は誰も知らなかった。
しかしだ。ここで月光が言うのだった。
「そこならわかるわ」
「むっ、貴様は月光」
スモーキーの頭に相変わらずハムスターの姿の館長が出て来て言ってきた。
「貴様もいるのか」
「久しいな、御主の弟子達も随分とてこずらせてくれる」
「相変わらず梟の姿のままか」
「ふん、そちらもだな」
月光もまた館長に返すのだった。
「またハムスターになっておるのか」
「これがまた中々いいものだぞ」
館長はそのハムスター
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