TURN52 田中の苦境その十
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知っている、それでこう言うのである。
「近いうちにね」
「戦争になります、ですが」
「それでもだよね」
「ドクツ、イタリンは他の連合国や日本よりはましです」
「厳密には資産主義じゃないから」
「同じ枢軸陣営でも日本は違います」
カテーリンは目を顰めさせて日本についてはこう言及した。
「資産主義でしかもです」
「帝がいるからね」
「あんな国は許せないです」
カテーリンはぷりぷりとした顔になっている。それで右手を拳にしてそのうえで振り回してさえいる。
「必ずです」
「倒すんだね」
「ドクツとの戦いが終わればまず日本を懲らしめて」
「それからだね」
「太平洋の皆を共有主義にします」
カテーリンはもうドクツとの戦いを念頭に置いていた。そのうえで日本との戦いを見ていた。
だからこそ太平洋についてはこう言うのである。
「ガメリカも中帝国もお仕置きします」
「僕もアメリカ君と中国君は好きじゃないしね」
ロシアもロシアたる由縁を出しにこやかだが威圧感のあるオーラを漂わせていう。
「ちょっとぷちっとやっちゃっていいよね」
「それが祖国君のいいところなのです」
カテーリンもそのロシアの言葉に微笑んで応える。
「では一緒に頑張るのです」
「うん、そうしようね」
ロシアは普段の無邪気な笑みに戻る。しかしその笑みを見て二人を離れた場所で立って見るバルト三国の面々は暗い顔でひそひそと話した。
「やっぱり戦争になりそうだね」
「ですよね。カテーリンさんもロシアさんもやる気満々です」
「ドイツさんだけでなく太平洋全域に攻め込むんだね」
三人にとってはいい話ではなかった。ソビエトは世界を共有主義にすべき彼等の戦いを行なおうとしていた。
TURN52 完
2012・9・12
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