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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
EpilogueVどっちが勝っても文句なしっby恋する乙女達
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「ル〜ルル〜♪」
台所でオーディンさんが使った食器を洗い、「ふふ。美味しいって褒めてくれたわ♪」自信作のクーヘンが褒められた事に頬の緩みが抑えられない。それにしても。私は恋なんてしないなんて思っていたのに、してしまっている。しかも相手はエリーの想い人。
応援するとか言っておいてこのザマ。口遊んでいた鼻歌は嘆息へと変わってしまう。けど問題はそれだけじゃない。私とエリーの想い人、オーディンさんがずっと隠してきた真実かもしれないもの。
(孤人戦争ルシリオン・セインテスト・アースガルド。テスタメント。世界の奴隷。数千年・数万年。原初王オーディンの末裔)
人間としての血と一緒にこの身に流れる“魔族”と言う怪物の血が見せたらしい記憶を思い出す。もしあれがオーディンさんの真実だとしても、私の想いは揺らがないと思うのだけど。でもエリーはどう思うだろう。オーディンさんへ抱いている想いは私より強いはず。だからこそ辛いわ。もしこの想いが叶わなかった時の事を考えると・・・いいえ、どちらかと言えば叶わない可能性の方がずっと高い。
「・・・・あっ」
両手の力をふと緩めてしまって、皿を落としてしまう。ガシャァンと皿が割れた甲高い音が耳を貫く。
「やってしまったわ・・・」
割れた皿の破片を眺める。とそこに「アンナ!?」エリーゼが勢いよく台所の入り口から入って来た。
「ど、どうしたのよエリー・・・?」
「どうしたじゃないよ! お皿が割れた音がしたから、アンナが倒れたのかって・・・!」
「ちょっと待って。不注意で皿を落として割れたって普通思わない?」
「え? アンナって完璧主義女だから、お皿を落とすなんてドジは踏まないでしょ? だから落としたとなれば、そんな完全カチコチ女のアンナの体に何か不調が――あいたっ!?」
ゴチッ☆と、エリーの頭頂部に拳骨一発を振り落とす。するとエリーは頭を押さえて「痛い!」と睨んで来た。
「完璧主義。まぁそれはいいとするわ。でもね。最後に、女、とか付けない。せめて、者。それに、完全カチコチ女? それじゃあまるで私は融通の利かない駄目女みたいじゃない」
「ほ、褒め言葉のつもりで言ったんだよっ?」
「どこがっ!?」
エリー。あなたの褒め言葉の語録の少なさとセンスの無さに、お姉ちゃん、ちょっと心配よ。それから文句を垂れるエリーと一緒に破片を片付けたあと、エリーに「話があるの」と真剣な表情で誘われた。
断る理由もなく、「判ったわ。お茶、用意するから少し待って」その誘いを受けた。食卓について、お茶で一服。向かいの椅子に腰かけるエリーは「ふぅ」と一息吐いて、深刻そうな表情を浮かべて「あのさ」と前置きした。
「アンナ。わたしの気の所為じゃないと思うんだけど、アンナってオー
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