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ソードアート・オンライン 守り抜く双・大剣士
第55話 =黒幕の正体=
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ち上がり
その朴訥そうな細い眼に凄惨な苦悩の色をにじませながらハルバードを握り締めた。

「貴様が…貴様が…。俺たちの忠誠――希望を……よくも…よくも…よくも―――!!!」

だが、そのプレイヤーよりも茅場のウィンドウ操作のほうが早かった。左手を振りウィンドウを操作したかと思うとその男の体
は空中で停止、次に地面へと音を立てて落下した。

「……麻痺かよ…」

俺が呟く中、茅場は手を止めず次々と画面を操作していき周りの人たちも麻痺状態へとしていく。どうやら使い魔にも可能らし
くシリカと一緒にピナも身動きが取れなくなっていた。

「…ユカ、シリカ!」

「リ…クヤ…」

「サチ!」

どうやらサチにまで麻痺をかけたらしい。サチも地面に膝を突きそのまま上半身が倒れ横向きになっていた。だが、いくら時間
が経っても俺とキリトにはその麻痺が来る気配はない。それどころか茅場はシステム管理者特有のウィンドウをすでに閉じてい
た。
慌てて武器をしまい一番近くにいたサチの体を支える。

「………どうするつもりだ。この場で全員殺して隠蔽する気か……?」

「まさか。そんな理不尽な真似はしないさ」

茅場はキリトの問いに首を横に振ると続けようと口を開く。

「こうなってしまっては致し方ない。予定を早めて、私は最上層の『紅玉宮』にて君たちの訪れを待つことにするよ。90層以上の強力なモンスター群に対抗し得る力として育ててきた血盟騎士団、そして攻略組プレイヤーの諸君を途中で放り出すのは不本意だが、何、君たちならきっと辿り着けるさ。だが…その前に…」

茅場はそう言葉を切るとジャキンと右手の剣を黒曜石の床につきたてる。

「キリト君、リクヤ君。君たちには私の招待を看破した報酬を与えなくてはな…チャンスをあげよう。この場で私と君たちとで
1対2で戦うチャンスを…。もちろん不死属性は解除する。私に勝てばラスボスに勝利ということでゲームはクリア、この世界か
らログアウトすることが出来る…どうかな?」

傍から聴けばいい案ではあることは間違いない。75層でこのゲームがクリアできるってことは通常よりも死者数もこの世界で暮
らす時間も減らすことが出来るんだから…。

「…だめ…受けちゃ……リクヤ……キリト…!」

「…団長は貴方たちを…排除する気よ…」

麻痺で口が動かないながらも警告をしてくれることには感謝することなんだろう…。でも…

「…悪い…俺、やっぱり我慢できないや」

こいつは今なんと言ったのか…血盟騎士団を育てた。きっと辿りつける…?

「ふざけんな!」

じゃあそのために犠牲になった10人…それだけじゃない、今まで死んでいった4000人の意志はどうなるんだ。その中にはケイタ

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