第55話 =黒幕の正体=
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招を放った勢いで倒れてしまった体を起こしながら言う。慌ててサチに支えられるがそれでもその場に立つとさらにユカとシリカ、ピナも立ち俺の近くへとやってくる。そして俺の言葉を引き継ぐようにキリトが口を開く。
「この男のHPはどうあろうと注意域にまで落ちないように保護されているのさ……不死属性を持つのはNPCでなけりゃシステム管理者以外ありえない。だがこのゲームには管理者はいないはずだ。…ただ一人を除いて」
この男、と呼ばれた目の前の騎士は無言でさらにキリトの言葉を聴く。
「……この世界に来てからずっと疑問に思っていたことがあった……。あいつは今、どこから俺たちを観察し、世界を調整しているんだろう…ってな。でも単純な真理を忘れていたよ」
ゲームをやったことのある子供なら誰でも知っている…いや絶対に感じたことのある心理。
「「《他人のやってるRPGを傍から眺めるほどつまらないものはない》……」」
「そうでしょ、ヒースクリフさん…いや、茅場晶彦」
俺の言葉に周囲が静寂に満ちた。それもそうだろう…最強の仲間でありリーダーがこの鉄の城という名前の牢獄に俺たちを閉じ込めた真犯人だったからだ。
「……団長…本当……なんですか…」
驚愕に満たされながらもアスナは力を振り絞ってその答えを聞く。だが、それには答えず目の前の騎士はキリトへと言葉を発した。
「…なぜ気付いたのか参考までに教えてもらえるかな……?」
「……最初におかしいと思ったのは例のデュエルのときだ。最後の一瞬だけ、あんたあまりにも速すぎたよ」
「やはりそうか……あれは私にとっても痛恨事だった。君のあの動きに圧倒されてついシステムのオーバーアシストを使ってしまった…リクヤ君はどこなのかな?」
まさか俺に来るとは……
「そうだな…俺がおかしいなって思ったのは第50層…あなたが神聖剣を初めて出したときだった」
あの時、前線で戦っていた俺とともに『共鳴』を発動させた。別に『共鳴』を知ってるってことがおかしいって思ったことではなくて……その時に発動した『共鳴ソードスキル』の1つである『トリッキーチェンジ』という不思議なスキルを使用したときだった。その技は共鳴した相手に自分の武器を投げつけその間にいる敵に斬撃やら打撃やらを与えるちょっとギャグも入った技だった…がその分威力も強く、俺とヒースクリフさんは1度だけ使った。
「その時にその盾と剣をキャッチしたんだけど……『重すぎた』…でもあなたはユカと同じくらい…とはいかないまでも敏捷値が高くないと動けないくらいに動いていたんだ」
ユカはその時絶賛引きこもり中だったけど…あのときから敏捷一択じゃないと今のスピードは出せないだろう。
周りの人たちの中で速さでたとえるなら
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