第55話 =黒幕の正体=
[4/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
互いの無事を確認しあうと強烈な安堵感に襲われかけたが、クラインの聞いた被害報告で俺たちに再び緊張が走った。
…なんと死者数は10人。仮にもここに集まっているのは1層前の調子に乗った軍プレイヤーではなく攻略組のトッププレイヤーばかりなのだ。クォーターポイントのボスはその層プラス20の強さだと思ってもいい。それでもここのボスは100にはたどり着いていない。それなのにこんなにも死んでしまった人たちが……。
そんな酷い状況の中、ただ一人立っているのは恐らく一番の活躍をしたといってもいいヒースクリフさんのみだった。さすがだな…なんて気楽なことを口にしようとした瞬間、その人の視線が他の人とは違うということに気がついてしまった。
他のKoB団員を見下ろしている暖かいいつくしむ様な目は自分と同じ人間を見る目ではない、身分の低い者どころか…道具もしくは実験体に注がれる眼…。
その瞬間、今まで何かが引っかかってた疑問がすべて繋がってしまうのが俺の意識の中にあった。
「……ユカ、借りる」
「え?」
承諾も聞かずユカの太ももにあるホルダーから投剣を数本ひったくるように抜き出すと俺の使える投剣術の1つをその騎士に向かって放つ。
「神雷招……!」
偶然といわんばかりにその俺の狙っている相手の周りには人がいない。その技は放射的に投剣を投げつける唯一筋力値でも補正が効く技だ。それと同時にキリトも走りだし黒刀でソードスキルを発動させようとしている。
「…何っ!?」
やはり最強なのか俺の投げた投剣をすべてその盾で弾き返すという芸当を見せてくれた。だが、その次に襲い掛かるキリトには盾が間に合わなかったらしくその体に片手用直剣専用ソードスキル『ヴォーパル・ストライク』が決まる……はずだった。
「……っ!?」
だがキリトの剣はヒースクリフさんを貫くことは無く、代わりにあまり見かけることのない紫色のウィンドウが壁のように出現していた。そのウィンドウは…《Immortal Object》。運命の鎌の攻撃からユイを守ったものとまったく同じもの…「システム的不死」を可能にさせる唯一のものだった。
「リクヤ、何してるの…!?」
「…見ろよ…あれ…」
あれが出なければ俺たちはただ単に攻略組がいっぱいいる中で犯罪を犯した…それだけですんだ。だが、今回はそれどころかヒースクリフさんの絶対に隠し通さなければいけない秘密を暴露してしまったのだ。サチも俺を咎めようとしたがその紫色のウィンドウを見て凍りつく。駆け寄ったアスナも同じような感じだった。
「システム的不死…って……どういうことですか……団長」
「…伝説の正体…だ…。俺だって信じたくは無かったけどな…」
そう全員に聞こえるように神雷
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ