第一話 通りすがりのお義兄(にい)さんだよ
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から突如として赤々と燃える炎が生み出された。
「発火能力者か」
「大正解! そんなヒーロー気取りのモヤシ君にはコイツを一発プレゼント!! 受け取りなー!!!」
その手から勢いよく放られた火球が、一直線に月日目掛けて飛来する。
「残念」
だが火球は月日に届く前に小さくなり、直撃することなく鎮火してしまった。
「なっ!?」
「なんだと!?」
「シシっ!?」
哀れにも狼狽える男達。ここでやっと気付かされることとなる。
「では、俺からの問題です…」
目の前の男が無能力者でないことを。そして、
「火が燃えるのに必要なのは、有機物・熱とあと何でしょう?」
すでに自分達が強者でも何でもないことに。
「さて、お答え願おうか? 不正解者にはもれなく――」
月日は肩に担いだ棒状の物体の先端を男達に向けた。
「コイツをプレゼント」
その正体は、黒く鈍い光沢を放つ『散弾銃』
「「「「……………!!!!」」」」
男達だけでなく女子学生までも驚愕して言葉を失い固まる。
そんな一同を見て、まるで子供のような笑みを浮かべる。
「安心しとけ。“まだ”ただの改造モデルガンだ」
改造モデルガンの時点でまったく安心できないのに、まだ何かあるらしい。
「じゃあ右から順に聞いてくぞ。はいアンタ」
「オ、オレ?」
指名される男。まるで絞首台の前に立たされた気分だろう。
「く…空気?」
「はい、ニヤピン」
月日は迷うことなく引き金を引いた。パンッと乾いた音が壁に反響する。
「ひぎゃっ!!」
しかし、すべての状況を理解する前に答えた男が吹っ飛んだ。
「小学生かアンタ…。今時聞かない間違いの模範解答だぜそれ。はい次、真ん中のアンタ」
「ヒィッ!!」
気分が変わった。これは文字通りの銃殺刑だ。
「た……助け――」
「却下だ。こうなったのは自分達の責任だ。諦めろ」
さっさとお答え願おうか?と月日は催促する。
「さ、酸素だ…!」
「正解」
男はほっとした。「助かった」とそう思った。
―――パンッ!!
再び響く銃声。
そして、男は膝から崩れ落ちた。
「それじゃ最後の問題だ」
「シシっ?」
最後に残された男。そんな男に月日は眩しい程の笑顔で、
「万が一これで銃と同じように“銃弾”を発射できたら、アンタはどうなる?」
「…………………死?」
男の膝が笑い出す。それこそ大笑いである。銃口はそんな男に向けられている。
「正解者に一言……」
月日は散弾銃を担ぎ直すとゆ
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