追想〜裏切りの代価
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
結晶を使って街まで戻り、リオナ達と別れたキリトとクラディールは、自らのねぐらに到着すると装備も解かずベッドに倒れ込んだ。
「つ、疲れた・・・・・・悪いやつらじゃないのは解るが・・・・・・」
そううめきながらクラディールはベッドの上でモゾモゾと動いて軽鎧(ライトアーマー)や剣を装備フィギュアから解除して枕に顔を埋める。その顔も、心なしかやつれている。理由は・・・・・・
「そうだ、ちょっと宴会やらない?ウチの男衆に強くてイケメンな優良物件が二人も入ったんだからさ」
リオナが創設したギルド、<曙の槍>(アマテラス)はキリトとクラディールの二人を含めても総勢六人しかいない非常に小規模なギルドだ。そんな彼女らが生き残れたのは、個人の実力の高さ、チームワークの合理性、そして何より仲間達の強い結束だろう。背中を預ける相手は絶対に裏切らないと確信しているからこそ、自分の目の前の相手に集中でき狩りの効率が上がるのだ。要するに、仲良しギルドと言うわけだそうだ。とクラディールは適当に予想を立てる。
自分はまだ何か考えていたはずだが、答えを見つける前に二人は眠りについてしまった。
「さって行きますかねぇ」
「よし、ポーションも結晶もちゃんと持ったな、よし!行こうか!」
待ち合わせ場所には、すでに四人が集まっていた。
「よし、予定より30分早いけれど行きましょう。場所は昨日と同じ。今日は少し奥に言って見ましょうか。」
〜グラヌフの森奥地〜
「ここらから猿人型Mobも多くなって来たわね・・・・・」
奥地には神殿があり、そこでは侵攻する蜘蛛の軍勢を滅ぼし森を救った狼の神が祀られている(と言う設定だ)そうだ。その神殿の内部でクラディールら六人は衛兵の格好をした猿人型Mobに苦戦していた。特に兵士が群がっているところを突き進むと、
「扉だ・・・・・・恐らくここから先は名前付きMob部屋だ。全員回復はしっかりしとけ。・・・・・・いいか、開けるぞ・・・・・・・」
強力な筋力値補正に驚嘆する四人(相棒であるキリトは慣れているのか気にしていない)を尻目に扉を開けていく。そこにいたのは・・・・・・・狼型名前付きMobではなかった。
「おいおい、流石に趣味が悪いぞ茅場晶彦・・・・・・」
そこにいたのは、無惨に首筋を食いちぎられた狼の神と、それを喰らう大きな、本当に大きな蜘蛛だった。
バタン!!
「なっっ!?」
轟音を立てて扉が閉まる。勿論、押しても引いてもびくともしない。
「くそっ!結晶も使えない!やるしかないぞ!」
最も先に覚悟を決めたのはカーンだった。盾を思いきり前面に突きだし前に出る。その姿に押され、全員がそれぞれの武器を構えた。
「まずは俺だ!露払い、請け負った!」
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ