第53話 常山、山賊掃討戦 前編
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翌日、趙雲の母と村人に組織された300人の自警団は賊300を討伐するために村を出発しました。
この一団には揚羽以下、凪、真桜、沙和の4人が同行します。
私は村に残ります。
麗羽と鈴々も一緒に村に残っています。
彼女に揚羽についていくように言ったのですが、私と一緒にいたいと言い張りました。
彼女の護衛に鈴々をつけるので大丈夫でしょう。
私が村に残った理由は揚羽の策に従ったからです。
この村の自警団の人数は350です。
この内、主力300を賊300を討伐するため村から遠ざけます。
そうなれば、防備の手薄な村を賊1500がこの村を襲うはずだと揚羽は言っていました。
彼女曰く、今日、討伐に出向くことに意味があります。
昨日、私達が遭遇した賊を全滅させたので、私達の情報は二つの山賊団の耳に入っていません。
彼らは趙雲達が賊を全滅させ、この村の者が調子に乗り賊300を討伐を企んでいると思います。
そこで、彼らは自警団の大半が山賊討伐に出発した時期を見計らい村の襲撃を行います。
彼らは村さえ押さえれば人質を盾に自警団を脅迫して屈服させることができると思っているはずです。
彼らは1500人で、この村に残る守備兵50人です。
数の暴力で一気に村を制圧できます。
欲にかられ村を襲撃しにきた賊を私が殲滅する寸法です。
「劉ヨウ様、この度は礼を申します」
私が村の入り口で山賊が来るのを監視していると趙雲が話しかけてきました。
彼女は私に対し凄く申し訳なさそうに礼を言ってきました。
「賊退治は日常のようなものだから気にしなくてもいい」
私は周囲への警戒を解かずに彼女に返事をしました。
「そのこともありますが、母上のことです。劉ヨウ様に失礼な物言いをしたにも関わらず、母上を許してくださいました。その上、村を救うために力まで貸してくださり、礼の言いようがありません」
趙雲は趙覇の私への無礼な行為を心底悪く思っているようです。
趙覇の件は凄く腹立たしかったです。
でも、村の件は別物です。
腹が立ったからといって村を見捨てることはできないです。
趙覇の行動も彼女なりに村を思ってのことだと思います。
「母上に悪気はないのです。本当に申し訳ありませんでした」
私が趙雲から謝罪を受けていると視線を感じました。
「正宗様、何をしていますの?」
「お兄ちゃん、何をしているのだ?」
麗羽は不自然な笑顔で私に話かけてきました。
鈴々と豚もいます。
「昨日の趙覇殿の件で彼女から謝罪を受けていところだよ」
「そ、そうでしたの・・・・・・。そ、そうですわよね。正宗様、山賊はまだですの
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