琴浦幻憑記
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めていた。
見事までの醜態を見せてしまったが、今は左席に座っているピンク髪の少女――古明地さとりというらしい――に事情を話している。
落ち着いてお姉さん風に繕っているが、背伸びしているのが見え見えで可愛い。
「うっ、うるさいわね」
だが実際にここではお姉ちゃんらしいから驚きだ。
言い訳しながら顔を真っ赤にする姿も母性本能をくすぐる。
「うー☆」
それはキャラが違う。
なぜかわからないが突っ込んでしまった。
キャラって何だろう?
「さとりお姉ちゃん可愛い〜」
さとりと逆サイド。
つまり右席(さとりから見て目の前)にいるのほほんとした少女は古明地こいし。
さとりと私の妹とのことだ。
言動・雰囲気から取ってもまだ子供っぽい。
こちらはこちらで無邪気で可愛いと言える。
「ごほん……話を戻すわよ。まあ戻すって言っても私たちにとってはわからないのよね。私からしたらいつも通りの春香よ。私の妹で、生真面目、全体的におとなしめな性格。さらに料理上手。でも片づけが苦手っていう弱点がある『古明地はるか』よ」
何で今さら私の素性をばらすんですか!
しかも説明口調だし…
(ふふ、さっきの仕返しよ)
心の中で私に言っていた。
といっても私には心の中が読めるし、さとりも読めることは知っているが。
1時間ほど、と言ったがこれだけ長くかかったのもこれが理由だ。
まず気分を悪くしてから20分ほどかけて落ち着く。
その後ここが幻想郷の旧都で2人の正体が妖怪の覚だと聞いて気絶。
これでさらに20分。
さらに私の素性が、古明地姉妹と同じく妖怪の覚だということで卒倒した。
これで20分、計1時間ほどだ。
証明としては私の頭上についていた「第三の眼」と呼ばれるアクセサリーかと思っていた目で確証された。
寝ている時に邪魔にならないよう頭の上にいたらしく、起き上がったあとも気づかなかったとは恥ずかしい。
心身とも一緒な物なのだろう。
重さは感じなかったし何の違和感もなかったが、自分は何していたんだと時間を戻って目を覚まさしたい。
――と自分で言っていて気づく。
そう言えばあの時私は自殺しようとしていたんだなぁと。
他を意識もせずただただ目的を目指していたはずなのに……
だがこんなことなってしまえばもうそんな気も失せてしまっていた。
どうしてこうなったのかな。
「自殺なんてしちゃヤダよー!」
「うわっ、とと」
そういって抱きついてきたのはこいし。
銀髪の妹の方だ。
椅子をがたんと倒して、ばっと飛び掛ってきたのだ。
今度は体を地につけるようなことがなかったが、同じ背
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