琴浦幻憑記
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、ましてや霊魂などの人型じゃない霊なんて見ることすらできないだろう。
では何だろうか?
ベットの上で体の感触を確かめてみると……
「わかんない」
感触があるのだからやはり生きているのだろうと思う。
呼吸もしているのもわかった。
改めて考えると重要なことを思い出す。
「心臓も動いているわね。ということはやっぱり生きているのか……」
普通に考えれば人間まず確かめることと言えば、心臓や脈の類だろうがすっかり失念していた。
気が動転していたのだろう。
「なんで私なんかがまた生きてるの……また誰かを傷つけちゃう……」
私が頭を整理しだして思ったことと言えば生きている喜び、ではなく苦痛・哀惜だ。
元々『態と』死んだ身だ。
悔いがあって死んだのではない。
苦いがあったから死んだのだ。
生きている必要は無い。
「……もう1度ちゃんとしたら今度こそ死ねるかな?」
前回の死に方は縊死、つまり首吊り自殺。
一番ポピュラーで簡単な死に方だ。
死ぬ間際はちょっと苦痛だったのが少し嫌であったが。
なぜ生きているかという疑問は持っているが、そのことに対して調べることはしない。
めんどくさいからとかではなく、真っ先に死なないと思ったから。
好奇心などよりもその感情が上回っていた。
それくらい私の心は荒んでいたのだ。
今度は刺殺でもいいかな、と鋏でも部屋の中から探すためにベットから降り立ち上がる。
再びの最後であるため全身を改めて見てみる。
水色に近い青色の少し薄手のパジャマを着ていた。
下着は……見るのを止めておこう。
パジャマに関しては上下とも少々子供っぽいがフリルが着いていて……可愛い。
自分の子供の頃はこんな感じのも着て、親もいて――
「そんなことより何か……」
考えるのを途中で止めて、自分の目的を再開する。
あんな過去は今考えると痛みでしかない。
鏡を見て全身ちゃんと見ようかと思ったがこの部屋には鏡がなかったので仕方がない。
しばらく部屋に刺せるものを探しているが見つからない。
元々この部屋で探すスペースとしては押入れだけだったので、そこまで時間は掛からない。
他の探す場所としてはこの部屋以外しかないだろう。
人に見つかりたくなかったため、あまり出たくなかったのだがやむをえない。
横開きの扉がベットの真ん前にあるためそれを開ける。
そこは廊下であったがここと同じく奇怪な空間であった。
天井や床は先ほどの小部屋と同じように全体的に暗い色で纏められているが柱が妙でギリシャのパルテノン神殿のようだ。
春香は知らないがエンタシスというらしい。
「えっ?」
部屋
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