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不可能男との約束
文字の語り合い
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言葉は総て現実に変わる。

「別に手品みたいに人を驚かせるものじゃない。一種の願掛けみたいなものだよ。神道ならではのね。仲介通せば決行すること自体は可能なんだけど、僕は文章の神、スガワラ系イツルでね。だから、まぁ───」

《彼は勿体ぶる様にタメを作りながら、そして言った》

「僕の術式"幾重言葉"は、僕が奉納した文章を願掛けとして現実に再現する小説家ならではの術式だ」

《音は轟の力を持って、床を軋め、敵を叩き伏せる。そして、荷重は落ち、衝撃となってその場にあるものを等しく打撃する。例外はない。空間事綺麗な音を響かせ、風すらも轟の力を得ることになる》





先手で相手を倒せてよかったとネシンバラは思う。
軍師であるが故に戦闘は出来るが、得意という訳でもない。
あくまでも、戦闘は特務と副長の方が基本は上であある。

……まぁ、やり方によるけどね……。

うちのクラスは全員馬鹿だから。
もしかしたら、特務クラスの馬鹿達はお互いやり合っても負ける気はないとか思っていたりするかもしれない。
というか、熱田君は間違いなくその思考を持っている気がする。
強いて言うならある意味、例外はミトツダイラ君と槍本多君くらいか。
勝てないという訳ではなく、避けているという意味だが。
ともあれ、軍師である自分が相手を倒したというのは市民がこの戦闘に対するイメージを変える事にもつながるし、評価の向上にもつながる。
世は戦国の時代。
情報や風評も全て戦いにおいて重要なファクターである。
良かった、と評価するべきだ。
なので、後は援護に回るべきだろう。
"幾重言葉"は強い術式ではあるが、信奉者が書いた文章を読むことで喜び、それを奉納として発動とするもので、些か術の出が遅い。
高速戦闘には不利な術式である。
強力=万能という訳にはいかないのである。
まぁ、その分頭狂った副長組がいるから、別にいいんだけど。
自分の場合は、準上級契約をしているために、今まで書いたものを奉納ペースト素材として使用し、大部分を省略できているのでマシな方である。
だが、そこにもやはり、穴というのはあり、同じものを再利用しているような物なので奉納変換効率が落ちる。
そこはネシンバラが今、自分で書いている同人誌から走狗ミチザネに自動ペースト化をしてもらい、未使用状態の奉納ペーストとして蓄積しているのである。
まぁ、今のところはまだ余裕があるので大丈夫だろう、と思い、まだ戦闘をしているノリキとウルキアガの方に視線を向けようとする。
全島の音は消えていない。まだ、全部は終わっていない。
だから、行こう、とそう思った思考に

「───え?」

待ったをかけられる。
よれよれの白衣を羽織り、少々痩せ気味の長寿族の特徴的な長耳をした
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