文字の語り合い
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その前に現実を見てくれーーー!!』
ジョンソンの叫びに、はぁ、と心底煩わしそうな顔で溜息を吐き、ようやく顔を前に向ける。
しかし、本はそのまま閉じることなく手に持ったまま
『……煩いな。面倒だけど書くよ。それでいいんだよね?』
『おおおお待ちなさい!!』
表示枠の音声素子を振るわせるくらいの声を放ったのはダッドリーであった。
その言葉に思わず、眉を顰める。
待った……? どういう意味だ?
序盤はどうなるかと思えた女王の盾符との戦闘と思っていたが、結果としてはまだ膠着状態。
しかし、勝利条件云々だけで言えばこちらの方が有利である。
こちらは時間内まで負けなければいいで勝たなくてもいい。
しかし、女王の盾符は勝って、こちらに武蔵の運航の停止を要求しなければいけない。
つまり、勝利が前提である。
故に短時間勝利を狙うために聖譜顕装も持ってきたのだろうが、このままでは、こちらを止める事は恐らくできないと思われる。
なら、そこに未知の戦力であるシェイクスピアを投入するのは戦略上、間違いではないと思われる。
どういう意味だ、と再び思う心に良いタイミングでダッドリーが次の言葉を続けてくれる。
『ええ英国の武を預かる私の言葉を忘れたの!? ほ、本土外であんたの力を解放するのは禁止! そそその条件でアンタを連れてきたのを───』
『僕は別に勝敗とかには興味がないよ。あるのは、勝った後の本命の武蔵の本屋だ───勿論、古本屋にもね。自分が書いた本が大安売りされている所を見ると結構たまんないかんらね。それに、僕の事を言う前に君の事を考えた方がいいんじゃないかな? ロバート・ダッドリー。愛する女王の為に』
ロバート・ダッドリーの表情がみるみる変わっていく。
しかし、変わりだしたのは主軸の言葉ではなく、最後を飾る言葉であると正純は思った。
愛する女王の為に。
それが、ダッドリーが動く理由か、と正純は胸に刻んだ。
そして、それを証明するかのようにハン、と鼻を一つ鳴らして好戦的な笑いを浮かべ
『いいい言い方は気に入らないけど、女王陛下の事を忘れていないから釣りという事だとしても、の、乗ってあげるわ……!』
ダッドリーの手が新たな矢を放つために払われる。
放った数は
『ささ三本同時……!』
息を呑む武蔵住人。
三本同時。
幾ら、ペルソナ君がアデーレの機動殻の足代わりをしていても、違う場所に同時に三本落ちていくそれに同時に違う場所を守りに行けるわけがない。
「……!」
何人かが声にならない叫びをあげる。
ちくしょう、と悔しがる声が響く中、一つ剣神がその光景を呆れたように笑いながら、パチンと指を鳴らす。
「走
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