GGO編
百一話 強者へ至る道
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に接近するか、時折繰り出してくる近接用の技を使って来るのを待つなどして戦うしか選択肢が無かった。ちなみに、突進型の技などを多用してくるヒット・アンド・アウェイ型の的モンスターに関しても同様である。
不利な相手が何気に多いうえに、逃走コマンド縛り。
命がけのゲームをするには、余りにも不安定なビルドの元に、リョウは生きてきた。
「それで、その話しの人がリョウさんは分かりますけど……」
「あれ、ばれた」
そりゃばれるだろう。共通点が多すぎるし、余りにも話し方が実体験な感じだった。
「それがリョウさんの強さとどう関係が……」
「うーん、結局の所よ、それでもそのスタイルを貫き通したのが、俺なんだよな」
「…………」
リョウは頭の後ろを掻くと、苦笑して言った。
「一度このスタイルで行くって決めたからよ。途中で周りに合わせて切り替えんのが面白く無くてなぁ……ビルドエラーとか言われた事もあっけど、どんなもんでも極めてやればそれなりにはなる。なら、徹底的に貫いてやろうって思ってな……そのビルドを使う為だけに色々と考えて、色々試して、レベル上げて……一時期は日に三、四時間しか寝なかったのもザラだったな……」
あ、不健康だからやるなよ?と言って、リョウはニヤリと笑った。
「何せゲームだ。強くねぇとなんも出来ん。なまじ強くなりたかったから、夢中でプレイしてたな……けどなんだかんだ、行った事ねぇ場所に行くのとか、そう言うのも楽しかったからなぁ」
強くなるのにはあらゆる理由が有るだろう。しかしあえて言うならば、ゲームに置いて強くなる事にそこまで難しい考えは必要ない。
強くなれば、ゲームは楽しくなる。それはある意味現実でも同じ事。
「いつの間にやら、そのゲームでトップに立てそうな勢いになってた……ま、それから色々あって今の俺が居るけどよ。結局、俺みたいのでも此処までやれたんだ。強さに、王道なんざ無いって事だな」
二ヒヒと楽しげに笑ったリョウは、シュピーゲルを見た。唖然とした様子の彼は、ふとして考える。
楽しむために強くなる。そう考えた事が今まで無かった訳ではない。しかしここ最近は、そんな風に考える事は殆ど無くなっていたと言えるだろう。
最早自分にとっての強さは、自分自身の存在を誇示するためのものであり、それ以上でも以下でも無い。ただ貪欲に求めるべき対象となっていたからだ。
そんな新川の胸中を知ってか知らずが、リョウはこんなことを言い出す。
「ま、だからよ、AGI型じゃ装備がねぇと無理だ。なんてのは結局、お前自身が選択肢狭めた結果の幻想なんだよ。やろうと思えば、案外もっと広く見えて来るもん……進路もな」
「え……?」
突然のリョウの発言に、シュピーゲルは眼を見開く。
「お前、高認試験の成績良くね
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