GGO編
百一話 強者へ至る道
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ようのねぇゲームだった。唯一、ゲームオーバーになると、取り返しのつかない事になるって点を除けばな」
聞いて居るシュピーゲルはもう彼の話しているのが何のゲームの話なのかうっすらと気付き始めていた。しかし、何も言わずに唯聞き続ける。
「さて、そんなゲームの中で、そいつはステ振りにありえねぇ方針を選んじまった。筋力─極型だ。なんでそんな方針を選んだかっつーと、単純な話さ。早いうちに、そいつは敏捷値の少なさをカバーする方法を見つけちまって、なら一撃で倒せるようになれば無敵じゃねぇかって考えたからだ。ま、今考えるとそりゃ馬鹿な考えだがな」
同時にその考えは思いもかけない方向で役にも立ったのだが、それを彼が知るはずも無いのでリョウはそのまま話しを続ける。
ちなみに敏捷値をカバーする方法と言うのは、リョウの良くやっていた手首や指先を使って槍を物理法則に従い高速で動かすことで、動きの速い敵の攻撃をパリィすると言う方法だ。
「けどな、調子よくモンスターを斬りまくってて、有る時そいつはとんでもねぇ事に気が付いた」
「……?」
シュピーゲルが首をかしげた。
「戦闘してて、何体ものモンスに囲まれてな。こりゃやべぇと思って逃げたしてみたら、《しかし回り込まれてしまった》だ」
「え?」
「逃げられねぇんだよ。敏捷値が無ぇから、ぜんっぜん走れねぇ。結果、そいつは戦闘中に“逃げる”って選択肢が一切とれなくなった」
実際の所、SAOに置いて逃げる事で命をつないだ例はいくつもある。何しろあの世界に置いて、危険時に離脱を選ばないと言うのはそのまま“死”に直結する行為だったのだ。
“トレイン”等は非マナー行為として有名な物の一つだが、実際緊急時はそんな事を気にしている訳にもいかない。フィールド上に置いては基本的には一定範囲内から出れば離脱は可能だし、有る程度の敏捷値さえあればダンジョン内でもモンスターの魔の手から逃れる事は出来る。
が、リョウに関して言うならば、その“有る程度の敏捷値”すら持っていなかったのだ。当然、離脱など出来る訳も無いので、リョウはSAOに置いて、戦闘が開始してしまえばずっと「逃げる」コマンド縛りでやらねばならなかった(転移結晶も、戦闘が始まってしまうと相手から有る程度距離を取らないと使えない)。しかも……
「しかもこれが飛行型とか相手だと最悪でなぁ……」
飛行型モンスターや、遠距離攻撃能力を持つモンスターが相手となると、彼等は常に間合いを取ろうとしてくる。
後々跳躍ができるようになると話しも変わるのだが、それ以外の時は最早地獄であったと言って良い。距離を取られ、それを詰めるために接近しようにも、敏捷値が足りない為に全く接近できず、仕方なく相手が何らかの理由で接近してくるか、少しずつ距離を詰めた後技を出してきた後の硬直を狙って一気
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