蛇足三部作
『最後は隣に並んで歩こう』
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に留まっているのだろうと不思議に思っていたが、まさか自分でも気付けなかったこんな自分本位な理由が有ったとは。どれだけ心残りだったんだと苦笑する。
ああでもそれこそが未練というものだったのだろうなぁと、心の奥底だけでそっと呟いておく。
負けたのは悔しいし、正直私が負けた以上連合の者達がこいつ相手に勝てるのかどうか不安はあるが……もうそろそろ刻限だ。
これ以上死人が世界を引っ掻き回す訳にもいくまい、だったら、せめて去り際だけでも潔く逝こうではないか。
「今を生きる人々に、私の思いと願いを預けて――私はあの世に戻ってそれが叶うのを楽しみに待つとするさ」
「――――そうしてまた、オレの手の届かぬ所へと、去るのか」
恨む様に告げられた言葉に、僅かに目を見張る。
段々と辛くなってきた体を誤摩化すためにマダラの肩口へと額を預ければ、囁く様な声が聞こえた。
「散々振り回して、ようやく手が届いたと思ったら……これだ。だからオレは……貴様が大嫌いだったんだ」
「…………私は結構、お前の事好きだよ?」
これは本当。
今も昔も、それは変わらない。
里の仲間であり、戦友であり、唯一無二の好敵手であると、ずっと昔から想っている。
そのままふらつく体を片腕で抱きとめられて、小さく吐息を零す。
きっとあの綺麗なアカイロの目は、前見た時みたいに複雑な感情を宿して煩悶しているのだろうなと察してしまった瞬間、自分でも意外なことにこんな事を口にしていた。
「――なら、一緒に行くか?」
完全に虚を突かれたらしい相手の表情に、苦笑を零す。
別にそんなに驚かないでいいのになぁ。気まぐれでも戯れでもない――本心からの言葉なんだから。
「此処だけの話なんだが……実は少しばかり私も怖い。前は眠る様に逝けたけど、今は意識があるからなぁ」
「――……恐れる物など、何も無いのではなかったのか?」
「茶化した物言いをするなよ。こう見えて、内心では消失の恐怖にびくびくしているんだから」
みっともないけど、しがみつく左手に力を込めさせてもらう。
もう右側の両手足の感覚がほとんど無かった。マダラが支えてくれる事をいい事に、それに甘えておく。
「……それにさ、こんなに満足のいく闘いを……繰り広げられたんだ。お前、これ以上私以外の忍者と戦う気が起こるか?」
「確かに、貴様の言う通りだが……嫌な事を訊いてくるな……」
その途端、胸元の傷口からマダラの腕が引き抜かれたせいで、口から血を吐いた。
……今抜くか、ホント。
ちょっと呆れた目でマダラを見やれば、様々な感情の入り混じった赤い目がじっと私を見据えていた。
――――それで、と問い掛ける。
「どうする……? 一緒に、逝って
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