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スーパーヒーロー戦記
第18話 帰還
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好転しないだろう。闇雲に探しても無駄にエネルギーを浪費するだけだ」

竜馬のその言葉は的を射ていた。禄に情報の無い現状で探し回った所でそれはエネルギーと体力の無駄遣いになる。それではいざと言う時に支障を来たす恐れがある。
そんな事は断じて許されない事だったのだ。

「分かってるよ。分かってるけど!」
「少しは頭を冷やせ。いきりたってたって良い事なんざ一つもねぇんだ」

今度は隼人が甲児を諌めた。キツイ言葉だった。しかしそれも甲児を思ってこその言葉でもある。それを受けた甲児は言う通りにし黙り込んでしまった。再び静寂が辺りを覆う。誰もが早急に見つけ出したいと言う思いの元作業は続けられた。
その時だった。オペレーターのエイミィの下に一通のメールが届いたのだ。

「何? こんな時に……」

本来なら無視するのだが、何故かエイミィはその届いたメールが気になった。こんな時に、しかも一通だけ。
不思議に思うのも無理はない。そう確信しつつエイミィはメールの中身を見た。
其処には簡潔に内容が記されていた。

【人探しで相当苦労しているようだな。今から俺が教える座標を調べてみな。きっとお宅らが探してるのがあるかも知れないぜ。但し、急がないと場所が変わるかも知れないがな。信じる信じないはお宅らの勝手だ。

通りすがりの私立探偵より】

「何? このふざけた内容は…」

一瞬、怒りをぶつけようとさえ思えた。だが、妙に気になった。まるでこちらの心情を知っているかの様な文章だったのだ。そして、「探してるのがある」と言う文面も気になった。
どの道このまま探してても埒が明かないのだ。ならばこの情報に賭けてみるのもありだろう。
藁にも縋る思いでエイミィは記されている地点を調べた。
其処は太平洋のど真ん中であった。見えるのは殆ど海しかない。陸地など一つも見当たらない地点だ。
だが、その地点の中に一つ、たった一つだけだが、微弱ながらも生体反応が検出されたのだ。
まさか、これは…

考えるよりも先にエイミィは行動した。
即座に後ろを振り向き艦長であるリンディの方を見上げたのだ。

「艦長! 太平洋近海で微弱な生体反応が検出されました!」
「本当? すぐに解析急いで!」

他のクルーに解析を命じる。が、それよりも早くに甲児とユーノは飛び出した。確証はない。だが、そう感じられたのだ。その反応は恐らくなのはだと。
だが、先ほども言われた通り微弱な反応と言われている。恐らく酷い怪我をして動けないのかもしくは生死の境を彷徨っているのか。どちらにしても急いで向わねば手遅れになってしまうのは明らかであった。

「急げ、ユーノ! 最高速で向うぞ」
「はい!」

パイルダーに飛び乗りエンジンを始動させながら甲児は叫んだ。その声を聞き
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