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スーパーヒーロー戦記
第18話 帰還
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方を狙うでしょう】

巨人が何を言っているのかさっぱり分からなかった。強い光。闇に囚われた人々。光を狙う邪悪。不思議な単語が幾つも並べられた。

【そして、貴方の中に眠る光は、時として貴方に牙を剥くでしょう。光は決して善ではないのです。そして、貴方の身にこれから降り掛かるのは幾多にも及ぶ辛く険しい運命】

一体全体この巨人は何を言いたいのだろうか。なのはにはさっぱりであった。邪悪を照らす光だと言うのに、その光が決して正義ではないと言う。最早訳が分からなかった。
更に付け加えれば、これから先自分が歩む道は辛く険しい道だと言う。何とも残酷な言葉であった。

【ですが、決して挫けてはいけません。貴方が挫けた時、それは世界の終焉を意味します。強い心…不屈の心を持って運命に挑むのです。私達は、何時でも貴方を見守っています。頑張りなさい……光の子よ】

その言葉を最後に巨人の手から温かく柔らかな光が放たれた。その光はなのはを包み込んでいく。やがて、なのはの体が全て光の粒子となりその粒子はパッと散らばり姿を消してしまった。
残ったのは銀色の巨人だけであった。
しかしその巨人もすぐさま霧の様に姿を消してしまう。あの巨人は何者なのか? それは、今この時では分からない。そう、今この時では……




     ***




アースラ隊の懸命な捜査にも関わらず、一向になのはを見つける事は出来ずに居た。既に彼女が機械獣に誘拐されてからもう1週間は経っている。その間、メンバーの焦りは徐々に募りだしていた。
特に甲児とユーノの二人の焦りは半端じゃない。
甲児は苛立ちを隠さずブリッジの隅を歩き回っており、ユーノもまたはやる気持ちを抑えながらモニターに目を通していた。そんな二人を察してか、ブリッジは酷く静かなものであった。
普段は軽口などが目立つブリッジの中で誰もが一言も喋らないのだ。今はそんな事を言える雰囲気じゃない。そう察しているからだ。
そして、それはハヤタ達も同じだった。苦い思いを噛み締めながら仕切りに移り変わるモニター郡を一面も逃さず見ている。彼等とて心配だったのだ。
まだ10歳にも満たない幼い少女が不気味で狡猾で恐ろしい化け物達の巣窟に一人迷い込んでしまった。今頃恐怖心と寂しさがピークに達し動けなくなって泣いているだろう。そう思うと余計に苦い思いが増してくるのが分かる。一刻も早く見つけ出して安心させてあげたい。そう思いながらも懸命な捜査は続いた。
しかし、出て来るのと言えば彼等の待ち望んだのとは程遠い情報ばかりだ。

「駄目だ! やっぱり俺が探してくる!」

遂に我慢の限界に達したのか甲児が叫んだ。だが、それを竜馬が止める。

「落ち着くんだ甲児君」
「離してくれよリョウ君」
「君一人が行った所で事態は
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