第四章、その5の1:気づかぬうちに
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芯が震えていそうな声を漏らし、コーデリアは己の胸元へと手を滑り込ませた。服越しではない柔らかで艶かしい膨らみ越しに、どきどきと拍動する命の鼓動が聞こえる。
(やだ・・・凄いどきどきしてる・・・)
灯の点いた心はそれを制御できない。コーデリアの手はゆっくりと己の胸を揉みしだく。慧卓にとってみれば俄かに手から毀れる程度のそれであり、彼女にとっては手から溢れるほどの大きさである。故に揉みしだく際には膨らみの幾許かが生温い空気に触れる事となってしまい、物足りなくなってしまうのだ。頂にある桜色の突起を掌で転がし、押し潰す。
コーデリアは片手で己の胸を揉み、もい一歩の片腕は艶やかに頭の近くに投げ出していた。声は段々と拍子を早めており、閉じられた瞳の奥には愛情の滴が震えているかと思えるほどであった。
(声が漏れちゃ、クィニにばれちゃう・・・)
思わずそう懸念が出てしまうほど今の彼女の胸中は昂ぶっていた。常日頃からこのような行為に吹ける訳ではない。だが慧卓という男性を意識して以来、特に接吻を交わして以来、度々このような気分に陥る事があった。それは夢見がちで淫靡な想像によって生み出される。政務の傍ら、果ては用を足す傍ら。うっかりと夢想してしまった日には想いが想いを呼び込み、手がつけられなくなってしまう。そのような時は一応その場で気分を収めて、皆が寝静まった夜で己を慰めるのが常である。だが今夜のように嫉妬から想いが滾る事など無かった。我ながら余程重症であると、コーデリアは自慰の傍らに思う。
コーデリアに自覚はないのであるが、その身体つきは王女に相応しき豊かさと繊細によって保たれている。恐らく、彼女の均整の取れた彫刻ともいうべき裸体を見れば、多くの男達が身悶えするほどの興奮を覚えるであろう。彼女にとって重要なのは、慧卓もその内の範疇に入るかであった。無論入るであろう、いや入らせてみせる。そんな女としての気概がコーデリアの胸中にはあり、偶然にも己を昂ぶらせる一助ともなっているのである。慧卓に相応しき女であるには色気も必要なのだという言い訳が、熱帯びた胸を掻き立ててくれる。
「っ・・・ぅぅ・・・ああ・・・」
頭の傍でもぞもぞとしていた手が胸中の熱に導かれるまま、するすると己の肌を下降していく。ネグリジェは大分乱れて人には見せられぬ格好となっている。下降する手は胸と臍を経由して、純白のショーツに爪を立てた。どこか恐る恐るとしながらも、彼女の指先は伸びていき、花園の突起に触れて俄かに食い込む。ぐちゅ、と水音が耳を打った。
「ぃっ!やっぱり・・・すごい」
一種の驚きが身体を静電気のように走った。つんと押された指先が良い具合に刺激を齎してくれたらしく、胸の炎は欲深く輝きを増した。コーデリアはその炎の導きのままに潤いを帯びたショー
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