暁 〜小説投稿サイト〜
蒼き夢の果てに
第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第4話  爆発魔法の使い手
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い以上、結界を施して仕舞うと、その結界が召喚作業自体の邪魔となるから……。
 現状では、戦闘待機モードで状況の推移を見守るしか策はないと言う事ですか。

 そう考えながら、ルイズに近づいて行った時に辿った道を逆に辿り、タバサとキュルケの方に戻る俺。
 尚、その俺の周りを、淡い光を放ちながら飛ぶ花神。
 もっとも、この行為自体は、ルイズの魔法の暴発から身を守る為に安全圏内へ退避すると言う事と同義語なのですが。

 ただ、コルベール先生だって安全圏に居るのですから、俺が安全圏に退避しても非難される謂われはないとは思いますよ。
 ……少し、言い訳みたいには聞こえますけど。

 えっと、そうしたら、そんな言い訳みたいな思考は何処か遠くにサラッと流して、

「ハルファス。ハチミツとスプーンを出して貰えるか」

 取り敢えず、前進有るのみですか。花神を呼び出したのなら、その報酬を渡す事が俺の式神使いとしてのルールですから。
 それで花神が喜びそうな物と言ったら、大体その辺りに成るかな。一応、ハルファスに頼んで調達して貰うハチミツですから、混ざり物の入っていない本物のハチミツを準備してくれるでしょう。

 軽く首肯いた後に、あっと言う間に用意されたハチミツ入りの瓶とスプーンを受け取る俺。
 そうしたら次は……。

「タバサ。このハチミツを花神にスプーン一杯分、振る舞ってやってくれるか?」

 少し、ハルファスから渡されたハチミツと、花神。そして、俺の主の蒼き少女を順番に見つめた俺が、タバサに対して、そう依頼した。
 確かに俺が召喚した花神ですし、その呼び出した対価を俺から渡すのが筋なのですが、それでもここは可愛い女の子から貰った方が、花神も気分が良いでしょう。

 そう思い、ハチミツ入りの瓶の蓋を開け、その瓶とスプーンをタバサに手渡す俺。
 少し戸惑いながらも、俺からふたつのアイテムを受け取り、スプーンですくい上げたハチミツを、花神に対して一匙差し出す我が蒼い御主人様。

 そして、タバサが差し出して来るその一匙のハチミツを美味しそうに飲む花神。その空間だけ妙にほっこりする雰囲気を醸し出している。
 但し、何故か、我が蒼い御主人様は表情を変える事は無かったのですが。

 これは、かなり厳しい戒律か、それとも誓約に当たるモンが有るのかも知れませんね。

「花神。実は、もうひとつ頼みが有るんやけど、良いかいな?」

 俺の言葉に、ハチミツを飲んでいた花神が、一度、飲む事を休み俺の方を見つめ、

「ハイ。良いですよ、何がお望みですか」

 ……と答えた。

 その声に反応するタバサとキュルケ。
 ふむ、成るほど。このふたりに関しては、花神レベルでも、ちゃんと言葉を交わす事が出来ると言う事ですか。
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