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蒼き夢の果てに
第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第4話  爆発魔法の使い手
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「あんた、話せるの?」

 花神の方に向かって、キュルケがそう話し掛けた。
 それに、手の平サイズの羽の生えた小さな女の子が、突如話し出したら大抵の人間は驚いても不思議ではないでしょう。

「ハイ。当然、話せますよ」

 花神が元気に答える。まぁ、春に属する陽気の塊ですから、この子はこんな感じに成るのかな。
 いや、無駄に元気が良いのは小妖精全体の特徴ですか。

「ここは、少し危険な魔法を行使している場所やから、少しの間……そうやな。この召喚儀式が終了するまでの間で良いから、俺に付き合ってくれないか。
 報酬は、後、スプーンで三匙、ハチミツを御馳走するから」

 もっとも、本当はハチミツ程度なら瓶ごと渡しても良いのですが、そこまで大盤振る舞いをしても意味は有りません。

 確かに、今回はこの世界で最初の呼び掛けに応じてくれた相手ですから、有る程度多い目の報酬を準備しましたが、あまり気前が良すぎるのも問題が有ります。以後、何か他の事を頼む時に足元を見られる可能性も高く成りますからね。

「了解しました。この召喚儀式全体が終了するまでお付き合いしちゃいます」

 矢張り、無駄に元気が良いだけ、のような気もしますが、それは小妖精全体の特徴ですし、陰気の塊のような対応をされたらこっちまで気が滅入って来ますからこの対応の方が良いですかね。

「そしたらタバサ。約束通り、後三匙分のハチミツを振る舞ってやってくれるか」

 何か、この状態だけを切り取って見ると、俺とタバサ、どちらが召喚者で、どちらが使い魔なのか判らないのですが……。
 しかし、俺の頼みに嫌な顔……と言うか、表情ひとつ変えずに、コクリとひとつ首肯き、新たにハチミツを一匙すくって花神に差し出す我が蒼き御主人様。

 不機嫌な雰囲気とは別の感情を発しているから、不敬な使い魔に対して怒りを感じている訳ではないとは思うのですが……。

 刹那、再び周囲に轟く爆音。
 そして、空気を震わす衝撃波。

 そして……。


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