第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第4話 爆発魔法の使い手
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「ハルファス、防御用の結界を。アガレス、俺に強化を。ウィンディーネ、タバサとキュルケの護衛を」
爆音が辺りに響いたと同時に、現界している式神たちに次々と指令を下す俺。
何事かは判りませんが、爆音がここまで響き、頬に爆風を感じると言うのはただ事では有りません。ならば、準備を怠る訳には行かないでしょう。
しかし……。
「あ、え〜と、あの爆発音に関してなら問題ないわよ」
何故か、少し呆れたような口調で俺にそう告げるキュルケ。少なくとも、彼女は非常事態に直面していると言う雰囲気では有りません。
……少し、俺が過剰に反応し過ぎたのでしょうか?
それとも、この程度の爆発音が響く事ぐらいは日常茶飯事と言う事なのでしょうか。
そう思い、少し離れた使い魔召喚が行われている場所に視線を向ける俺。其処は、少しざわざわとした雰囲気ですが、何者かに襲撃を受けたような状況では無さそうに見えます。
それに、まさか、内戦状態の国の訳はないと思いますから、爆発音が響き、爆風が前髪を弄る事が日常茶飯事に成っている、などと言う事は有り得ないですか。
何故ならば、そんな危険な情勢ならば、こんな見晴らしの良い場所で、魔法使いのタマゴたちが呑気に使い魔召喚の儀式を行う訳はないでしょう。
「あの爆発は、多分、あの娘が使い魔召喚を行っているのよ」
俺と同じ方向……つまり、使い魔召喚の現場に視線を移したキュルケが更に続けてそう言った。その言葉と、彼女の発する気の中に、矢張り、呆れたような雰囲気が続いているので、先ほどの俺の対応が過剰だったと言う事に対して呆れていた訳ではなく、その使い魔召喚を行っているあの娘と呼ばれる存在に対して呆れている、と言う事なのでしょうか。
但し、使い魔召喚魔法で爆発音を発する。まして、五十メートル程度は離れているはずのこの場で、それなりの爆風を感じると言うのは……。
「それは、変わった召喚魔法ですね。ここでは、使い魔召喚の際に、個人の魔法の属性が反映されるのでしょうか?」
例えば、火属性の魔法使いの場合、炎の召喚ゲートを作り出すとか。
確かに、そう言う例を聞いた事が無い訳でも有りません。
もっとも、先ほど聞こえた爆音と衝撃波から考えると、何が呼び出されるのかは判らないのですが、呼び出した時の爆心地に、その使い魔が存在する事となるので……。
これでは、無事に使い魔を召喚出来るとも思えないのですが……。
「そんな事はない」
この一連の会話の中で初めて、タバサが俺の質問に答えた。
それに、この質問に関しては、彼女が答えるのが正しいような気もしますね。
その理由は、彼女は召喚士で、俺がタバサに召喚されて、彼女の使い魔となった訳ですから。
それに
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