魔女の意気
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に笑い
「ななな生意気な態度が治らない魔女ね。いいわ。じゃあ、生意気さに免じてちゃんと相対してあげる。本当なら、使わずに女王陛下にお褒めの言葉をいただければと思っていたけど……これじゃあ、武蔵を一時的に止めるだけのお褒めしか頂けないからね」
すると、ずっと右半身を前にだし、左半身を右半身で隠していたダッドリーは遂に、全体を現すように左足を一歩前に踏み出し、左手を差し出すかのように右手と交差させる。
そして、その左手を見たナルゼは一瞬、息を呑み
「英国の聖譜顕装の一つ、大手甲の巨きなる正義・旧代を見れるなんて……ネタの宝庫ね……!」
左手に付けられた巨大な銀色の手甲。
羽群のような形であり、表面には幾つもの箱十字をつけている。
製作者の趣味が窺えるわね、と思いつつ、舌打ちする。
確か、巨きなる正義の旧代の力は……!
「───せせせ戦場の武器を遠隔操作する力よ。は、範囲は大罪武装と違って、そこまで広くないし、それこそ、在り来たりの能力なんだけど数十メートルの範囲内にある武器なら……」
がちゃりと無数の金属音が鳴る音が聞こえた。
嫌な予感が際限なく膨れ上がってしまうけど、悲しいかな。そういうのは武蔵のせいで慣れているので、結構簡単に諦めて、周りを見回してしまう。
現実理解が速いだけよ、と内心で言い訳をして見ると、周りで荷重によって潰れそうになっても、武器だけは手から話さなかった、弓と矢が───こちらに向いている。
「くっ……!」
咄嗟の判断で、防御術式を展開しようとする。
躱すのは荷重で不可能だ。
しかし、展開のためのペンを動かす力さえも、荷重のせいで思うように動かない。
間に合わない、と至極簡単な結論を頭の中で思い浮かべてしまい。口からあ……と漏れる。
そこに
「おおおっと。動かないで頂戴ね。解る? あああ貴女、今───人質なのよ」
「……っ!」
脳細胞が焼切れるかのような怒りが、一瞬頭を支配して、形振り構わずに動いてしまえ、という思いに一瞬囚われそうになったところで、ぎりぎり落ち着く。
屈辱自体が消えたわけではないが、ここで自分が暴走しても無駄なのだ。
怒りで、自分の力が上がるだなんて根性論はあんまり好きじゃないし、そんな事が起きるとも思っていない。
武器を握っている学生も、聖譜顕装の力を理解したのか、武器から手を放そうとするのだが
「くっ……! は、放せない……!」
放すどころか武器を更にこっちに照準を向ける動きしか取れていない。
完璧なピンチって結構、多発するっていうのが、現実の嫌な所と思うが、嘆いても何にもならないのも現実である。
どう
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