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不可能男との約束
魔女の意気
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伊達に色々集まっていない事を教えてあげるわ」

「ああああら? 年下の小生意気な小娘が私達に、泣いて教えを乞う方が先じゃないかしら」

ざっと一歩、相手との距離を測るために前に出る。
それに、ダッドリーも合わせて前に出た時に同時に前に出てきた人物がいた。
セシルである。

「いくのー」

彼女は戦場には似合わない。
どちらかと言うとほんわかした声を保ちつつ、そして、体つきに似合わない軽快な足取りで前に進み出た。
てっきり、後ろでサポート的な事をする要員だと思っていたので、多少の驚きはあったが、とりあえず、向かってくるタイプではないと思った瞬間に何か違和感があると思った。
その違和感に辿り着く前に。
激震と共に地面に叩きつけられた。







普段、見下ろし、当たり前としている地面に急激に押し付けられたという異常といきなりの上からの奇襲に対処もほとんど出来ずに、肺に入っていた空気をほとんど吐き出してしまう。

「かはっ……!」

吐き出された息の分を取り戻そうと体が勝手に呼吸するのに任せて、何とか立ち上がる。
だが、立っているだけ。
とてもじゃないが、動ける余裕は一切ない。
だが、地面に這い蹲っているよりはマシだ。相手の行動が見れないし、何よりも屈辱的だ。

「くっ……!」

しかし、やはり、立ち上がれば、更に重圧が凶悪なものに変わる。
膝がガクガク震えてしまっているし、羽も重圧に負けて、垂れ下がっている。
既に後ろに対しきしていた学生は膝を着いている。
重力と言う当たり前の力は、当たり前であるが故に防ぐ方法がない。重力なんてそれこそ鳥でなければ反発できないのであるし、これはそれを強力にしたようなものに思えるが、少し違うな、とナルゼは思った。
目の前でこの術式を展開している張本人。
ウィリアム・セシルが浮いているからである。
それこそ、私達とは正反対に重力という力から解き放たれているように見える。
さっき感じた違和感の正体はここだ。
歩いている時に、その一歩一歩が浮いていたせいで、背が高くなったような違和感を感じていたのである。
だけど、どうして浮く意味がある、と思う。
この重圧を与える為に浮いているのが、当たり前の答えだと思うのだが、その浮くというルールが何故生じる。
考えている間も体が重くなっているが、術式の正体がわからないのは致命的だわ、と思い、考え直し、出た結論を言葉に出す。

「その術式……術者の全体重を"分け与える"術式!?」

T,Tes(テ、テスタメント).ウィリアム・セシルの来歴は当然知っているでしょ?」

重力に押し潰されそうになっているこっちが返答できないが、それに対して疑問しない事を、知っていると受け取ったのか、頷き

「ウ、
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