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不可能男との約束
魔女の意気
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活の盟主のアスリート詩人であるベン・ジョンソンがこんな武蔵に来るだなんて、何時から武蔵は偉人万博を始めたのかしら?」

「Yes───何、"女王の盾符"は私の発案だからね。だから、出来る限り女王の盾符には関わる事にしているんだよ。今回は私の秘蔵っ子も紹介したいのでね」

秘蔵っ子っと聞き、私は四つの影の内の最後の一人の方に視線を向ける。
ジョンソンの背後に立っている少女の事だろう。

どう見ても、内気なオタクにしか見えないわ……

ある意味で、珍しいかもしれない。
今まで見てきた人物はどちらかと言うとハッチャケ系統の人間ばかりであったからだろうか。そういえばそういった内気系はあんまりキャラがいないわね。
強いて言うなら鈴が当てはまるのだろうけど、鈴はどちらかと言うと恥ずかしがり屋で敏感なだけで、内気と言われるような弱さはない。
とりあえず、少女は耳の長い長寿族の少女みたいであり、あんまり自分の御洒落などに気を使っていない事は、見ただけで解る。
髪もただ無造作に後ろで結っているだけであるし、着ている白衣もちょっとよれよれである。
そして、手と背には紙袋とリュックを背負っている。
そして、残った左手には文庫本があり、今もその文庫本を読んでおり、こちらに視線を向ける気がない。

「英国で今、最も人気作家のシェイクスピアはこんな雑事なんかに気に掛ける気もないっていう事かしら」

「Oh……そこはまぁ、勘弁してもらうと言っておこうか───彼女は今も真摯に作家として文字と向き合っているのだよ」

「あら? ベン・ジョンソンの有名な名言を今、言ってくれるのかしら? 『言葉は人を最もよく表す。だから何か言いたまえ、そうすれば君がわかるだろう』って」

私の言葉にベン・ジョンソンは苦笑を持って答えるのを見て、こちらは微笑する。
そして、後ろに控えている学生達に手を振って下がるように指示する。
言っては何だが、はっきり言って特務クラスに後ろにいる学生達の攻撃が通じるとは思わないとまでは言わないが、少なくとも防御面でついてこれるかが不安である。
攻撃面は自分と連携したり、囮になってくれればいい。それだけで、十分の攻撃力である。
だが、目の前の相手達は英国の女王の盾符。
そして、確か記憶が正しかったら

「しかも、英国の聖譜顕装と大罪武装も持ってだなんて、英国も破産する気?」

アピール精神が激しいわねと思い、笑う。
よし。
自分のテンションは何時も通りだ。他の馬鹿どもみたいに狂うようなテンションにもなってないし、ネガティブにも陥っていないし、ポジティブが行き過ぎてもいない。
万全の調子だ、と思い、言葉を続ける。

「来なさいよ、英国の代表者。ここは武蔵。貴方達が排斥した異族はおろか魔女や竜、神がいる場所よ。
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