魔女の意気
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の肩辺りを狙った強引な蹴撃。
しかし、その種族差を覆すかのように、轟音が響く。
結果はジョンソンの勝ち。
半竜はジョンソンの蹴りの勢いに押され、そのままこちらから見て、前に吹っ飛ぶ。
だが、そこにジョンソンの目の前に人が現れた。
柱に用いる様な角材を持ち、恐らく半竜の背に乗って、ここまで来た少年。
「───You、ガリレオ教授を倒した少年か!?」
「解っているなら、言わなくていい」
狙いを即座に理解したせいで、舌打ちが良くなる。
どうやら、武蔵の総長連合にしてやられたと言ってもいいだろう。
まさか、全員が全員アドリブのみで、戦いを形成できるという事はどういう理屈よ、と愚痴りたいが、言っても無駄である。
「ととととりあえず───三対二かしら」
爆発の衝撃で揺れる頭を押さえつつ、地面に横たわっていた体を少しだけ上げる。
目の前には盾としては武蔵の中に三番目くらいに優秀じゃないかしら、と思うウルキアガの背があり
「はン……もう少し紳士的に運んでくれないの?」
「生憎だが、拙僧は別に英国産ではなくてな」
私が爆発で後ろに吹っ飛び、ウルキアガがジョンソンに吹っ飛ばされ、その威力を利用して、体の加速器を使って、こっちに飛翔し、抱えて止めてくれたのである。
魔女らしく、皮肉を吐いて、とりあえず、立とうとするが
「……あ」
膝が震えて立てない。
爆破による衝撃によるダメージと荷重にない対する気力と体力の減少が体を絶たすことを拒否している。
そして、ウルキアガはその事に付いては何も言わずに、ただ一歩、敵の方に向かうだけで返事をした。
「くっ……」
引くしかない。
邪魔でしかない存在は戦場に置いては味方の足手纏いである。
黒の羽を散らしつつ、目から零れそうになるいらないものを無理矢理に拭う。
次は勝つ。
それだけは、必ず自分に誓わせて。
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