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不可能男との約束
魔女の意気
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る事によって、武器達は独りでに武蔵の第四特務を狙って狙い撃ちする。
相手はこちらの指示を無視した。
ならば、その命を粗末にしたのは彼女のせいである。
ならば、当然、こちらが黙る道理なんてない。
数十本の矢は当然、そのまま吐き出される。
だが、正面にいるダッドリーは、武蔵の第四特務の行動を二つ見た。
一つはその表情に汗を流しながらも、笑みを浮かべていた事。
二つ目はその袖から何か零れる物を見た事。

……さっきの水瓶!?

何時の間にか、もしくは最初から隠されていたものだったのか。
恐らく後者。
念には念をでここに来る前に奇襲用に隠していたのだろう。
そして、彼女は勝利したかのように笑いながら

「───Herrlich!」

自らを爆破によって吹っ飛ばした。
最低限の爆発。
自分を最低限傷つけ、攻撃範囲から逃れるための爆破。荷重すらも跳ね除けて、そのまま後ろに向かって吹っ飛ぶ。
彼女への攻撃に武器の発射速度が間に合わない。
全て、彼女がいた場所に刺さり、自分の攻撃は総て無意味になった。

『走る心を更に高ぶらせ、己が足で踏みしめ、憤りを示せ』

その瞬間に、傍のジョンソンがこちらから前に突撃しようとする。
術式は作家の術式。
己の書いた文を現実に表わす精霊術である。
瞬間的、加速で水蒸気爆発を起こし、目の前の爆破で発生した、新たな蒸気をも突破し、そのまま武蔵の第四特務に突撃しようとする。彼女は今も尚、爆発の影響で転んでいる。
自分も追撃で、巨きなる正義(ブラキウムジャスティア)旧代(ウェトゥス)を構え直す。
ジョンソンの追撃が万が一に失敗した場合の為の用意。
だが、それは不可能であることを目の前の煙を無理矢理広げる存在を知覚したことによって理解する。
水蒸気の煙を突破するのは人の形ではない。

「は、半竜!?」

「第二特務、キヨナリ・ウルキアガ参上……!」

青と白の外骨格に覆われた巨体がセシルの荷重を無視し、こちらに身を飛ばす。

「異端者大歓迎……! 拙僧、テンション激烈アップ……!」

武器は構えていない。
当然である。
武器を構えても、こちらには左手の聖譜顕装がある。一瞬で武器の制御を取られ、終わる。
故に素手。
だが、半竜の素手ならば、生身の人間なんて一撃で破壊できる。
危険ではある。
だが

「Mate! これは危機ではないな!」

そこに急遽進行方向を半竜に切り替えたジョンソンが半竜に向かって、激突を望んだ。
既に空気抵抗を加速で突き破ったジョンソンは、そのまま両足を強く踏み、跳ぶ。
そのまま、両足は半竜に向けてのダイブ。
俗に言うドロップキックである。

『響け……! そして、穿て努力の日常……!』

直撃。
半竜
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