魔女の意気
[11/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「こ、降伏しなさい武蔵。それとも、武蔵は自分達の姫を救った事例を撤回するつもりなのかしら? ももももしくは」
そこで、ダッドリーは己の聖譜顕を装備している腕を掲げ、指を曲げ
「───主力と姫では価値が違うというのかしら───武蔵は差によって救いの判断を選ぶって事?」
その言葉に、自分や周りが何かを言う前に即答をする表示枠が出現した。
『おいおい。んなわけねーだろうが姉ちゃんズ。俺達が見捨てるわけねーだろうが』
答えたのは総長であった。
いや、違う───全裸であった。
その事に真顔になった女王の盾符は、とりあえず、場の勢いで、そのままダッドリーに任せるという感じのアイコンタクトをし、その事に血圧がダッドリーは多少高まったようだが、そのまま息を吸い
「何故に全───」
裸!? という言葉を言おうとして、表示枠の中で変化が起きた。
馬鹿は全裸に何故か首に縄をつけているという、荷重が無かったら、間違いなくごみを見るような視線と共に視線を逸らしている格好だったのだが、変化はそこから起きた。
突然、表示枠の上から強襲を仕掛けた熱田が総長をそのまま大剣の峰でもぐら叩きみたいに叩くという事をし、結果として輸送艦が衝撃を受け止めきれずに、総長が床を突き破り、そのまま首だけを残して、落ちるという珍妙な体勢に変化した。
その事に、更に英国勢はマジ顔で沈黙するが、熱田は気にしていない。
そのまま、ふぅ……と、溜息を吐いて
『危なかった……』
とやり遂げた顔で額を拭う動作をするだけであった。
突然の狂った出来事に脳内が情報をシャットダウンしようとする浅間の脳内だが、もしかしたら、実は意味があるのではという希望的観測を頭が生み出してしまい、感覚が現実に戻ってきてしまい、結論として地獄戻り。
無間地獄とはこの事か。
神は死んだ……! と叫びたいところだが、巫女として流石にその発言はいけないだろう。
『うむ……熱田殿。少々、拙者質問があるので御座るが』
『おう、何だ』
その狂った行動に疑問を抱いてくれたのか、二代が表示枠の外から現れて、疑問顔でシュウ君に何かを問いかけていた。
『その馬鹿をどうして危険扱いに? あ、いや、拙者も当然全裸を見ていていい気分がしないので、そういう意味なら十分に理解しているので御座るが、それなら無視をすればいいだけでは? 蜻蛉切りも触りたくないさそうで御座るし』
『イヤーー』
ペット共々素直な性格ですね、と微妙に感心しつつ、シュウ君がああ、前置きを置いて返事をする。
『それはだな二代。この馬鹿は特別と言うより珍妙でな───全裸ーリ一族という存在だ』
ツッコんだら負けですね、と無表情を保つように顔の表情を操作する。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ