女の意地
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教皇総長に向かって喋りかけているのは魔神族のガリレオである。
その言葉にあん? と前置きを置きながらも答える教皇総長。
「どうもこうも、英国が建前として保守的にシフトしたって事だろう。さっきの寒い滑りを聞いた後だから、どうも温度差を感じるなぁ、おい」
「武蔵を相手にするには出来る限り真正面で見るべきではないぞ。鋭角に見る事も、君には偶には必要だと思うがね」
嫌そうな顔をするインノケンティウスの表情は無視して、続きを黙って促らせる。
それに、溜息をしつつも答える教皇。
「ま、要は堅実な選択をしたという事だ。英国にも選択肢は合った。今のように武蔵を良しとせずに、本音はともかくとりあえず迎撃する、つまり、武蔵の考えに賛同しない道。そして、もう一つは武蔵の考えに賛同する道」
「君としては賛同してくれていた方が面白かったのではないなかね?」
「俺は教皇だぞ。教皇がそんな事を思っていたら、不味いだろうが、なぁ」
苦笑一つ。
「まぁ、当然な判断だろうなぁ。武蔵に付くという事はつまり、聖連を敵に回すという事に同義。そもそも、英国はアルマダ海戦に歴史再現によって国力を温存しなければいけない時期に、厄介事を持ち込みそうな武蔵を内に入れる様な無謀な賭けはしないだろう。良い事とは思わないかガリレオ。英国は武蔵みたいに馬鹿だらけの国じゃあないらしいぞ」
「君が望んでいるのはその馬鹿だと私は思っていたのだが、それは勘違いだったのかね」
はンと笑い飛ばされるが無視するガリレオ。
そこに溜息をしつつも、声を重ねる。
「契機となったのは三征西班牙の襲撃なのだろう。だが、まぁ、これを機にこちらとしても武蔵の残存戦力の偵察を行えるので、君としては文句を言える場所はないのだろう」
「Tes.と言っといてやるよガリレオ。神クラスの熱田もそうだが、それ以外の特務や生徒会も武蔵は混沌とし過ぎているんだよ」
「そもそも、熱田の剣神を政治的に抑える事は出来ないのかね?」
「駄目だな。剣神はそもそも戦場を駆ける事を前提として定義された戦神だぞ。しかも、あれでスサノオを意味する剣神としては最高神だ。奴の行動は荒の王としては間違ってはいない。逆に荒の王の名を否定しろなどと言ったら、こっちが文句を言われるわ」
「かと言って真正面から神クラスと相対するのは苦労すると思うがね」
「今更だ。まだ、鹿島のとこの軍神が学生じゃなかっただけでも感謝しとけ」
「旧派が言うのも何だがね。神道も中々えげつなさでは劣っていないな」
そうだな、と頷きを作りながら、神道の残りの剣神とかが、剣工の道に着いてくれた助かったとしか言いようがない。
まぁ───だから、あの剣神は武蔵にいるのだが。
「ともあれ、我々
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